from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

映画「ラスト、コーション」を観た

samso2008-02-10

朝から晴れ。ベランダに出て下を覗くと、昨夜降った雪がしっかり残っていて、雪かきをしている人たちが見えた久しぶりに布団を干す。
ランチの予約をして、11時過ぎに妻とうちを出た。12時過ぎに東急8階のイタリアンレストラン「Tanto Tanto」に到着。待っている人たちを尻目に店内へ。ピッツァ・パスタランチコースとぐるなびサービスのグラスワインを注文。周りを見渡すと中年の客ばかり。ピッツァ・パスタとも平均的な味。ピッツァは同じ薄焼きの信州の「ピザ屋」の方が美味しい。

ランチを食べ終え、Bunkamuraへ。ル・シネマで予約してあった映画「ラスト、コーション」のチケットを受け取り、まだ時間があったのでギャラリーをぶらぶら。入場開始時刻のちょっと前に戻ると入場待ちの人たちでロビーは混雑していたが、優先して入場できた。指定席には座席に白いカバーが付けてあった。指定席は数えると10席ほどだった。客層は中年が中心。女性客の方が多かった。
日本軍が占領していた1942年の上海が舞台。四人の女性が麻雀をやっているところに主人のイーが帰ってくる。イーが麻雀をやっていたマイ夫人に目配せすると、マイ夫人は用事があるからと言ってイーの家を出て、喫茶店に行く。マイ夫人は喫茶店で電話を借り、仲間に電話する。その電話を受け、仲間は暗殺の準備を始める。そのあと、話は3年前に戻る。抗日戦線に向かう兵士たちをトラックの上から見送る女性たちの中にマイ夫人ことワン・チアチーがいた。香港に着いたワン・チアチーは大学の友だちに抗日の演劇に誘われ、ヒロインを演じる。彼女を演劇に誘ったクァン・ユイミンは、イーの元で働く親戚のツァオに出会ったことで、演劇仲間5人によるイーの暗殺計画を企てる。イーは、日本の傀儡政権である南京の国民党政府の要人だった。マイ夫人になりすましたワン・チアチーは、イーの妻と親しくなり、イーに近づく。イーの気を引くことに成功するが、イー一家が上海に引っ越すことになったとイーの妻から連絡が入る。演劇仲間が借りていた邸宅で後始末をやっているとツァオがやってきて彼らの暗殺計画をだしに大金を要求する。彼らはツァオを殺害する。
舞台はちょっと前の上海に戻る。ワン・チアチーが叔母の家に住み、勉強に励んでいると、クァン・ユイミンが訪ねてくる。また、イーの暗殺計画を企んでいることを打ち明け、彼女を誘う。ワン・チアチーはまたマイ夫人になりすまし、イーの妻に近づき、イーの家に居候することになる。ワン・チアチーはようやくのことイーを虜にして二人は逢い引きを重ねる。そして、冒頭の喫茶店のシーンに戻り、暗殺計画が実行される場面へと進んでいく・・・。
イー役はトニー・レオン。今までの役柄とまったく違うニヒルな男を見事にこなしていた。ワン・チアチーは新人ながら、変化していく女性を演じきっていた。人を信じられないが、求められた愛に応えるうちに欲望におぼれる。アン・リーの手腕は大したもの。
麻雀でのやり取りは麻雀を知る人が少ない西洋人には理解できたのか。イーがマイ夫人に疑いを持っているかのようにカップに付いた口紅が何回かクローズアップされた。イーは汪兆銘率いる傀儡政権の高官であったが、重慶にあった蒋介石の国民政党のスパイでもあったかのような暗示もあった。トロリーバスはあの頃すでに走ってたんだね。