from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

映画「カポーティ」を見た

子どもは意外に早く起きてきた。
今日は仕事が休みなので、8時にうちを出て、子どもを保育園に送っていった。天気は良くなく、雨が降ったようだが、上がっていた。保育園に着くと、すでに多くの園児が来ていて、ワイワイやっていた。子どもの組の部屋で支度をしていると、同じ組の女の子Sちゃんがやってきて、「○○くんのパパだ」と言っておしゃべりを始めた。「きょうは5じおむかえなんだ」とうちの子どもがSちゃんに嬉しそうに告げる。「わたしはねぇ、・・・」。
うちに戻ってくると、ちょうど妻が出勤のためバス停に向かう姿が見えた。
うちに泊まっているUさん母子は、新宿に行ってくると言って出かけた。
雨が降ってきた。借りてきてビデオ「カポーティ」を見る。どういう映画なのか知らずに借りてきたが、トルーマン・カポーティの生涯を扱った映画ではなかった。「冷血」を書き上げた時代の描写のみ。「冷血」は、その昔村上春樹が絶賛していて、読んだ記憶はあるのだが、どういう内容だったのはまったく覚えていない。1959年カンザス州で起きた一家4人の惨殺事件に興味を持ったカポーティは、幼なじみの女流作家ネルに頼み込んで一緒に取材に出かける。その頃すでに小説家として成功していて、社交界での立ち居振る舞いしかできないカポーティは地元の人たちに嫌われるが、ネルのお陰で取材は成功する。事件担当の刑事アルヴィン・デューイの奥さんが小説好きでカポーティを知っていて、刑事の家で話を聞くことができた。やがて、二人の犯人が捕まり、カポーティは一方の犯人ペリー・スミスに興味を持ち、接近する。ペリーの話から金脈を掴んだと確信したカポーティは、熱心にペリーの元に通う。ペリーはカポーティを信頼し、自分の生い立ちを話す。母17歳のときに生まれ、3歳で両親が離婚し、アメリカ南部を点々と移動しながら育ったカポーティはペリーの人生と自分の人生を重ねる。ゲイであったカポーティは恋人ジャック・ダンフィーとの仲が冷えるのを厭わず、小説の執筆に打ち込む。「冷血」と題した小説がある程度仕上がったときに朗読会をやると絶賛されるが、ペリーからまだ事件当日の話を聞いておらず、「冷血」の完結の目処は立っていなかった。上告によって彼らの死刑執行が延期されると、カポーティは狼狽する。やっと事件当日の話を聞き出したあと、彼らの死刑執行日が確定し、ペリーから立ち会ってくれるように懇願され、一旦は拒否するが、死刑に立ち会う。冷血な人間にも弱さがあり、善良な人間にも打算的な冷徹な心が宿る。
4時半頃、ビデオを返却するために外に出ると雨は上がっていた。ビデオレンタル屋を出て、スーパーに寄って買い物をし、そのまま保育園に向かった。子どもたちは園庭ではしゃぎ回っていた。うちの子どもは砂場で遊んでいて、保育塩酸に声を掛けられると、走ってきて飛びついた。
うちに戻ると、子どもは一人でトム・ソーヤの冒険を見だした。Uさんが夕飯を作ると言っていたので帰ってくるを待っていたが、一向に帰ってこない。子どもが「おなかすいた」と言うので、二人だけで夕飯を済ませた。あとで妻から電話がかかってきて、Sさんの帰りは遅くなると言ってきた。
8時過ぎにSさん母子が帰り、8時半頃に妻が帰ってきて、夕飯を食べた。