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子育ての日々の断片を書き綴る

教科書検定は必要か

TBSニュース『沖縄戦「集団自決」、教科書検定で修正』。

文部科学省教科書検定調査審議会は、「沖縄戦の実態について誤解するおそれがある」として、教科書会社5社が申請した日本史の教科書7点に意見書を付け、その結果、教科書会社が修正しました。
具体的には、「日本軍に集団自決を強制された人もいた」という記述が「集団自決に追い込まれた人々もいた」。あるいは、「日本軍に『集団自決』を強いられたり」が、「追いつめられて『集団自決』した人や」となり、日本軍による強制はなかったように修正されています。
また、「日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や、集団で『自決』を強いれたものもあった」という記述が、「『集団自決』に追い込まれたり、日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民もあった」と文章が入れ替えられて、「強いられた」が削除されています。
「やっぱり教科書として子供たちが学ぶ中で、なぜ日本軍が同じ住民を殺してしまうの、死に誘導してしまうの、ということが、一番の沖縄戦の中での、軍隊の醜さとか軍隊の本質というものを表している。そういう事例であろうと」(琉球大学教育学部 山口剛史講師)
「集団自決したのは自分勝手と。ただ怖がって死んでしまったと。こういうふうに解釈もできるわけですよ。僕らみたいに体験者が生きている間はいいですよ。歴史というのはずっと流れていくからね、今から40、50年経つと、どういうふうに死んだかということが忘れられる。軍隊の関係が完全に断ち切られる。そういった点が不安、心配」(集団自決を体験し姉を亡くした宮城恒彦さん)
一方、従軍慰安婦問題については、教科書会社6社が日本史や倫理の教科書で取り上げましたが、今回の検定では意見書は付きませんでした。
申請書の記述では、「日本軍による強制」という記述はなく、「送り込まれた」「かりだされた」などという表現になっています。