from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

エレベーター死亡事故(3)

JINビジネスニュース「シンドラー制御盤に何が起きたのか」。

死亡事故のあった「シティハイツ竹芝」の保守点検を担当していた日本電力サービスが、06年1月30日、シンドラー社に修理を依頼していたことが明らかになっている。依頼は日本電力サービスが住民から「地下1階に到着してもドアが開かなかった」、という苦情を受けたことから始まる。日本電力サービスが独自に点検したものの原因がわからない。それでシンドラー社に修理を依頼した。修理して1ヶ月経った06年3月。日本電力サービスは故障原因をシンドラー社から電話で知らされた、という。
大手新聞社の報道などによると、「制御盤とエレベーターを繋ぐ電線に断線があった」というものだった。
保守点検会社は「断線」すら発見できないのか。だとすればとんでもない会社だが、普通はありえない話だ。
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「メーカーに保守点検会社が修理を依頼するという場合は、相当な危険が迫っていたと考えられます」
そう明かすのは都内のエレベーター保守点検会社の社長だ。
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社長によれば、保守点検会社がメーカーに修理を頼ることは殆どないという。人命を預かる仕事のため、この会社は、エレベーター会社OBなど熟練した社員を揃え、点検、修理、部品、作動のプログラミングなどあらゆる技術、知識を有し対応している。
「メーカーに修理を頼るようなら、我々のような会社の存在理由はないのです。だからどんな故障も発見し修理できます」
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シンドラー社は修理した後に、こう電話で説明している、という。「制御盤とエレベーターを繋ぐ電線に断線があった」。さらに、「修理は完了しましたので、区住宅公社には報告しておきました」。「シティハイツ竹芝」は港区の集合住宅だからだが、区には何の報告もしていないことが後に発覚する。

読売新聞「事故エレベーター、ブレーキ異常が濃厚…新品では正常

東京都港区の区民向け住宅「シティハイツ竹芝」(23階建て)で今月3日、エレベーターが急上昇し、高校2年の男子生徒(16)が挟まれ死亡した事故で、警視庁捜査1課が15日、事故機のブレーキを新品に取り換えて再現実験をしたところ、エレベーターは正常に作動した。
このため同課は、ブレーキに何らかの異常があった可能性が高いとみて、事故時のブレーキを分解するなど、詳しく調べる方針。
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エレベーターは電源を切ると、自動的にブレーキがかかる仕組みだが、救出後に油圧ジャッキを取り外したところ、事故機は勝手に最上階の天井部分まで上昇した。
同課は15日、ブレーキ部分を交換し、事故機を男子生徒が挟まれた12階に戻したうえで、レスキュー隊員らを現場に集め、救出時の状況を再現した。
この結果、エレベーターは油圧ジャッキを外しても、ブレーキが正常に作動し、上昇しなかった。
このため同課は、ブレーキそのものに異常があった可能性が高いとみている。一方、事故は、電源が入った状態で起きていたことから、制御盤にも何らかの異常が発生した可能性があるとみて捜査を進める。
エレベーターは、つるべ式のおもりによって、ブレーキが緩むと上昇する仕組みになっている。