from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

教育の基本的な責任

JANJAN小沢代表の質問の本質さえ知らなかった小泉首相」から。

小沢代表が「教育の基本的な責任はどこにあると思いますか」と小泉首相に質問したことは、戦後の教育行政のあり方を根本的に問いただすものだったが、そのことすら小泉首相は理解できなかった。というのは、教育委員会制度のあり方に深くかかわる問題だったからである。
明治12(1879)年に制定された「教育令」以来、わが国の教育行政は官僚に握られ、中央集権的な教育行政が行われていた。その教育行政を根本的にかえたのが、敗戦後に日本を訪れたアメリカ教育視察団の勧告だった。その勧告を受けて設置されたのが昭和23(1948)年の「教育委員会法」である。それは戦前とは比較にならないほど、教育行政に対する地域住民の関わりが大きかった。教育委員5人は住民の直接選挙によって選ばれ、教育行財政もきわめて独立性が高く、民主的な制度だった。
しかし、昭和31(1956)年に法律が改正され、公選制は廃止、教育行財政の独立性までも失われるようになった。教育に対して地域住民の直接的な関与がとても希薄になった。その制度のゆがみが現在の教育現場に現れている、として小沢代表は質問している。それは「教育の基本的な責任はどこにあると思いますか」という言葉に端的に表れている。それに対して小泉首相はまともに答えられなかった。教育基本法の改正を主張する自民党の党首として誠に恥ずかしいかぎりである。