from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

論座3月号『韓流・出版事情「下流」を志向する日本の団塊ジュニアと「父の復活」を夢見る韓国の若い世代』から。

グローバリゼーションの伝道師トーマス・フリードマンの新刊『真っ平らな世界』は、昨年末に翻訳、出版されるやいないや、マスコミで大きく取り上げられた。韓国最大の経済紙である毎日経済新聞は「インドの貧しい少年がハーバードの女子大生の職場を奪う」という見出しで、インドのIT産業を目の当たりにしたことが著者の原点になったことを強調した。
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フリードマンの主張によれば、「貧困や戦争の原因はグローバリゼーションが不十分なせいだ。マクドナルドが進出した国同士は戦争したことがない。グローバルなサプライチェーンこそが戦争を抑止する」というのだが、それに対して李教授は、「ではなぜグローバリゼーションの総本山である米国は戦争を仕掛けるのか」と反問する。
「グローバリゼーションで平らになった世界そのものがが不平等と紛争の原因になるという見方は、あらかじめフリードマンの論から排除されている。あまりにアメリカ的な彼の発想には、『自由貿易主義は強者の保護主義』という、国際政治学者の間では当たり前の常識が入り込む余地がないのだ。“古き良き植民地”インドの高層ビルの谷間にフジツボのようにへばりついて生きる数億のその日暮らしの人々を見てもなお、『世界は平ら』と言えるのか」――李教授はそう問いかける。

ホリエモンが社長日記で「みんなビジネスマンだったら、戦争は起こらない」と書いていたので、「戦争を起こしているのはビジネスマンだ」と反論したのを思い出した。