from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

預言者ムハンマドの風刺漫画(2)

JMM「風刺文化」ロンドン〜スクエア・マイルから』から。

ロンドン同時テロが一部の過激派による仕業とはいってもムスリム“全体”への風当たりが強くなっている状況下、英国のムスリムは慎重に社会と関係を保ってきた矢先である。圧迫されていたノン−ムスリム社会への不満が堰を切ったように噴き出した格好となった。テロ被害国としては、風刺画掲載は「余計なことをしてくれた」といったところか。国内のムスリム指導者が過激な行動の沈静化を促しているが、大々的なデモがロンドンで行われて、連日トップニュース扱い。いやおうなく、言論の自由とは何かと考えさせられてしまう。
昨年7月以来、テロを誘発するような言動にはきびしく取り締まるという警察。ロンドンのデモは、イスラム教を冒涜するものへの死の報復を呼びかけるなどテロの再現を連想させるプラカートを掲げての行進だったが、それにもかかわらず、誰も逮捕されなかったことから一般市民から不満が噴出。特に自爆テロの格好をした抗議行動には、相当な非難が集中した(その後、自爆テロ・コスチュームの若者は「7月のテロ被害者および家族の心情を考えず、浅はかな行動だった」と謝罪したものの、別件で投獄後・仮出所中だったためこの行動でまた牢屋戻りとなっている)。
自由には責任が伴うもの。「こんな大事になるとは思わなかった」とのデンマーク等風刺画掲載側のコメントも伝えられ、コメディ好き、皮肉が日常のイギリス人もその無責任さを非難、また、ムスリムの怒りは理解できるものの、そうはいっても、死の報復を求めるのは行き過ぎであって正当化されるものではないという認識だ。

サンスポ「仏紙、風刺画問題を特集…売り上げ3倍も仏大統領は批判」

仏の漫画週刊紙が8日発売の紙面で、イスラム教預言者ムハンマドの風刺画問題を特集。挑発とも受け取れる多数の風刺画や見出しを掲げ、イスラム教徒の反発が激化する恐れがある。一方、欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表は、風刺画問題で悪化した欧州とイスラム諸国との関係修復のため、12日にも中東歴訪に出発することになった。
風刺画を特集したのはシャルリー・エブド紙。1面で「原理主義者についていけないムハンマド」の見出しとともに、ムハンマドが顔を覆いながら「愚か者に愛されるのはつらい」と嘆く構図の新たな風刺画を掲載。ほか発端となったデンマーク紙の風刺画を転載するなど、全16ページのうち11ページで風刺画問題を取り上げた。同紙は特集号の売り上げが通常の3倍の40万部近くに達するとみている。シラク大統領は「激しい感情をかき立てるあからさまな挑発を非難する」と批判した。