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子育ての日々の断片を書き綴る

小さな政府

nikkeibp.jp“塩爺”が日本の構造改革を語る:行政も「プラン・ドゥ・シー」が必要

会計検査院でいいますと、日本の今の財政は、国の予算がおよそ80兆円。それから特別会計というのがあって、それと公社・公団・事業団、これも特別会計で重複してはいますけど、410兆円です。合わせたら公的会計というのは500兆円近くなる。それなのに、これを監査して扱う会計検査院の職員はたった1400人しかいない。
私は、いつから1400人体制になったのか調べました。すると国の予算規模が4兆円の時だったことが分かった。しかし予算が80兆円になって、特別会計も膨らんで500兆円にもなっているのに1400人と、4兆円の時と変っていないんです。
米国はどうなっているかというと、国と州と合わせて2万5000人もいる。考え方が全然違うんです。1400人では今、会計検査は事実上、何もやっていないのと同じです。それが小泉さんの下で現状の体制のまま、今度特別会計にもメスを入れて見直そうとしとるわけです。
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証券取引等監視委員会の人数はいまおよそ300人です。一方、上場している会社は、ベンチャー市場など全部入れたら5000社を超えているんです。それを300人で監視しろといっても無理な話です。
できることといったら、せいぜい証券取引所で行われている日々の売買に不正がないかどうかを監視するぐらい。それだけで精一杯です。だから上場している会社の財務状況がどうかなどということまで見る機会など全然ないのです。
米国の証券取引等監視委員会は、私が聞いたところでは6000人いるそうです。では彼らは何をやっているか。上場している会社の財務内容は公認会計士が見ていますが、その公認会計士が見たものが、正しく行われているかどうかということを監視しているんです。ですから上場している会社はまったくインチキができないんです。
全部の会社がそうだとはいいません。でも、こういう会社が少なからずあるから、企業の不祥事が増えているわけです。
今はそういう風土があって、システマティックに検査をしていないから不正がまったく表に出ていません。しかし、本当に調べたらずいぶん出てくると思うんです。
ここが一番大事ではないでしょうか。行政はそういう風土を改めて、クリーンな環境というものを整備してあげなければいけないのではないかと思うんです。
公正取引委員会も今600人ほどしかいません。たったそれだけです。米国では5000人もいるそうです。日本の公正取引委員会は何をやっているんだといったら、「談合」の摘発ばかりしている。何でかというと、国民から見ても分かりやすいし、一番やりやすいからだと思います。
本当は公正取引委員会は、経済行為の中で強者の弱者に対する不公正なことが行われていないかどうかをチェックするところなんです。例えば、子会社、孫請け会社、アウトソーシング会社と発注元の企業との関係、不当廉売、独占的な価格付け行為などです。
そのような、本当に公正な取り引き、経済行為が行われているかどうかという実態を調べるべきであるのにかかわらず、刑事事件となるような「談合」だけしかやっていない。
なぜなら、人手が足りないからです。そこまでやりたくても手が届かないんです。公正取引委員会の知り合いから話を聞くと、「とてもじゃないけど手が回らない」という。