from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

耐震偽装(9)

nikkeibp.jpファンドが姉歯に怯える理由」。

分譲マンションの住人やホテルのオーナーを巻き込んで広がる耐震強度偽装事件の余波は、不動産市場の主役とも言えるファンドに飛び火した。
「(プロが見れば)一目瞭然で分かる」。偽装工作に関して、姉歯氏はこう語っている。もっとも、この件に関わった、ある関係者は、「当初(1998年頃)の偽装は本当に巧妙。普通にチェックしただけでは見抜けない」と打ち明ける。そして、こう続ける。「偽装に慣れてくるにつれて、姉歯さんは偽装工作を手抜きするようになったんだな」。
所有する物件の耐震強度の確認に追われるファンド。だが、そのすべてが実際の数値を構造計算プログラムに打ち込んでいるわけではない。一目見て分からない初期の物件が数多く存在しているとすれば、事態は深刻である。
しかも、投資家への説明資料として、ファンドは将来必要になる建物や設備の補修費用、土壌汚染など環境問題の有無、大地震が起きた時に物件が受ける被害の確率などを記した「エンジニアリングリポート」を作成する。
地震によって損失を受ける確率が少ない――。そうリポートに書かれていることで、物件は安全と見る投資家も中にはいる。だが、構造計算書は正しいという前提に立っており、細部までチェックしたりはしない。それまで「安全」と思っていた物件が、軒並み危険牌になる可能性がある。