from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

鳥インフルエンザの危機

武田徹オンライン日記」から。

本当に鳥インフルエンザは差し迫った脅威なのだろうか。国民国家の「総力戦体制」の維持のために内憂外患は必要で外来の感染症というのはまさに格好の素材であること、特に広義の福祉国家においてこの種の危機は国家の存在価値を確かな物にすること、そして一方で恐怖の宣伝こそジャーナリズムの存在価値を確保するものでもあるということ、そんな二重の意味合いの重なる部分に、鳥インフルエンザへの話題の集中があるとすると、その危機の切迫状態を冷静に見定めながら、もう一方でそれが「作られた危機」である可能性(危機が本当に切迫していることと、危機が作られていることは両立するのでそこは単純な二項対立的に見ないでね)も視野にいれる複線的思考が必要かも知れない。
H5N1ウィルスによる鳥感染がどうやら増えているらしいこと、そして鳥にまみれて暮らす人たちに感染していること、今の時点で起きているのはそこまで。その先に本格的に人に感染し、さらに人から人に感染するようにウィルスが変異するステージがあるわけだが、それは毎年危険度が高まって本当にもう感染爆発間近なのか、それを根拠づける数字のような物はあるのだろうか。そのへん全然報道されていないのはなぜなんだろう。
もしかして毎年同じ程度のリスクとしてあるのに今年は特別キャンペーン中、なんてことはないよな(笑)。APECで感染症対策でしか合意しなかったのを知るとなんか勘ぐりたくなる。