from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

勝ち馬に乗っただけ

前は山梨県に住んでいた。相変わらずの選挙だったようだ。既得利権確保団体が勝ち馬を見極め、その指示に従って、団体関係者(町内会含む)が投票しただけ。郵政民営化とか、改革とはまったく関係のない選挙。保守主義から新自由主義へとか、農村型保守から都市型保守へとか言われているけど、山梨の選挙を見る限りそうでもないような。
選挙前の読売新聞「“勝ち馬”見極め?」から。

自民党を支える職域団体や友好団体。県内でその数は200に上り、“集票マシン”として、党公認候補を国会に送り出す原動力ともなった。県建設業協会の加盟業者にはかつて、社員を選対事務所に派遣した業者もあった。農協団体には、陣営に推薦状を出し、農家を回って個票集めに奔走した農協職員もいた。
だが、今回、郵政民営化関連法案に反対した前議員・堀内光雄保坂武を支持する党県連と、対抗馬の長崎幸太郎小野次郎を擁立した党本部の対立。支持団体にはそれを震源にした動揺が広がる。
農協系の任意団体・県農政推進協議会は25日、県連の要請を受け、堀内と保坂への支援を決めた。逆に、宅地建物取引業者が作る県不動産政治連盟は、長崎と小野の推薦を決定。33業界をたばねる県建設産業団体連合会の場合、傘下の職員の自主的な判断に任せることを決めた。県建設業協会塩山支部の幹部は「うちの票は自民と民主に割れる」と言い切った。
民主党を支える連合山梨や、公明党の支持母体・創価学会は今回、従来通りの支援態勢を組んでいる。しかし、分裂に直面する自民党関係者は「団体の反応はばらばら。勝ち馬に乗ろうとしているのか?」と首をかしげる。情勢が不透明な中、推薦を出した候補が落選し、出さなかった候補が当選したら――。政治家に利害を託す団体は、党本部と県連とのはざまで“勝ち馬”を見極めているのかもしれない。

選挙後の読売新聞「揺らぐ造反組の地盤」から。

堀内は3代目の“世襲”議員。祖父・良平は富士急行を興し、堀内家は遊園地「富士急ハイランド」やホテル経営など観光事業を拡大させた。堀内は強固な地盤で当選9回を重ね、富士北ろく地域での影響力を揺るぎないものにした。
しかし、37歳の長崎は無名の“落下傘候補”だが、公示後、金丸信・元自民党副総裁(故人)の後援会「久親会」や中尾栄一の「山栄会」系の個人や企業が支援に動いた。「堀内は富士急ばかり見ている」という“反堀内”や“反富士急”の感情も取り込みつつあった。「世代交代」の訴えに共感した若者は、ボランティアで選挙活動を支えた。
11日夜の開票後、当選した堀内を937票差まで追いつめ、比例選で復活当選を果たした長崎は「この地域のために死ぬ気で頑張る」と言い放った。片や、堀内事務所にいた光一郎は「選挙戦中、『どうしてお前が出ないんだ』って言われて、返す言葉がなかった」と語った。商工会会頭や観光連盟会長で地歩を固める光一郎の動向が、以前にもまして関心を集めるのは確実だ。「明日からが本当の政争だ」。堀内陣営の幹部は気を引き締めた。
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「今回は小野さんを支持します」
3区の甲斐市小野次郎の選挙事務所には公示後、建設業者が次々とあいさつに訪れるようになった。前回衆院選で保坂を支えた業者の乗り換えの動きに、保坂の選対幹部は「一枚岩だった組織が崩れていく」と声を震わせた。
3区は元々、金丸の強固な地盤で、建設業者や首長らが久親会の下に結束して選挙を戦ってきた。金丸の死後、元衆院議員横内正明から保坂へと受け継がれ、町議出身の保坂が連続当選する原動力となった。しかし、今回、建設業者は“勝ち馬”に乗ろうと、小野支援に回り、かつて保坂を支援した久親会系首長も公然と小野選対を支えた。