from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

平静さを取り戻しつつある上海。上海在住の日本人は、

「まだ、日本人にとっては少々ただならぬ空気が漂うここ上海」
「恐らく、上海在住日本人の方々ならば理解して頂けると思うのですが、今の上海、『ほんとは安全なのか?』否『まだ危険が燻っているのか?』よくわからないんですよ!僕自身」
「何事もなかったかのように日常に戻りながらもなんともいいようのない後味の悪さがいまだにくすぶっている」
「タクシー乗るにしても、1人だと躊躇われてしまう。日本人同士大声で話すのもちょっと・・・」
「タクシーの運ちゃんとかに『お前、日本人か!?』と聞かれたとき、『日本人だ』と答えるにはちょっとだけ勇気がいる(ナサケナイ・・・)」
「今回の件があって社員やお客さんに何か変わった反応がなかったか聞いたのですが、みんな口をそろえて「何もありませんよ」と言っていました」
反日感情に不安を抱いているあたしの心配なんかすぐに吹き飛んじゃうくらいに皆優しくて、楽しくて、本当に嬉しかったんだ」
「今の会社は周り全員中国人。嫌がらせメールとかもしあったらどうしようと、ちょっと恐怖に思いつつ出社した。特に何も無い。仲良しの中国の子は政府間の問題は政府が片付けてくれればいいといい、別の子も全く同じことを言ってる」
「大学内は相変わらず平和です。僕も相変わらず元気です」
「いつもと同じ???そう。拍子抜けするぐらいいつもと全く変わらない一日だ。あえて同僚とデモの話はしなかったが、同僚ともいつものように普通に会話をする」
「私が日常生活で接する中国人は、みんなとても優しいです。こういうことがあって、きっとみんな複雑な心境で過ごしていることでしょう。なんだか気の毒です。気を遣わせてしまっているように感じます。彼らが悪いわけではないのに」

と、まだ緊張が取れない人もいれば、もう今まで通りに中国人に接している人もいる。

ああいいながら、中国当局は反政府行動に転化するのを恐れていたと見えて、

【北京=吉田忠則、飯野克彦】中国共産党・政府が反日デモの封じ込めに動き出した。デモが発生した各都市で報告会を開き冷静な行動を訴えたほか、デモを呼びかけた組織の幹部らを拘束し、背景を調べ始めたことが20日明らかになった。事態が沈静化するかどうかは不明だが、大規模な学生運動が政変にまで発展した天安門事件の記憶が指導部を揺さぶり、デモへの対応を過敏にしているとの見方もある。
関係筋によると、調査を本格的に始めたのは上海市で数万人規模の反日デモが起きた翌日の17日あたりから。公安当局が中心になり、愛国団体の責任者らの資金源や国内外の人脈などを調べている。デモの本当の狙いは「反政府」ではないかとの疑いがくすぶっているからだ。
デモを呼びかけたとみられているのが、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有を主張する「中国民間保釣連合会」や「愛国者同盟」などの愛国団体。各地のデモで等しくみられた「日本製品ボイコット」などのきれいに印刷された横断幕はこうした団体が作った。

と、日経が報じている。

萬晩報」から

冷静に日中の関係を考察すると、日本にも多くの短所と長所があると思われる。日本は大陸に侵略し、多くの中国人を殺害した。一方、中国人は日本人をそれ程、殺害していない。明治維新に端を発するアジアの独立への機運や日露戦争でロシアを敗った日本が生みだしたアジアの高揚は、アジアのみならず多くの国から賞賛された。日本は、富国強兵から、戦争、被爆、敗戦、世界一のODA大国まで、幅広い経験をした。
敗戦国である日本は、アメリカの共産主義封じ込め政策のお陰で世界第2の経済大国となった。中国は第2次世界大戦の戦勝国であり、日本が敗戦国でありながらも、日中の経済格差は、雲泥の差であった。この経済的格差が、日本人を傲慢にし、中国人を卑屈にさせ両国の温度差が深まったと考えられる。中学の歴史教科書問題等は、表層的な問題であり、本質的問題は、経済的格差からくる差別意識にあると思われてならない。その日本の隣国へのいい意味での「お互い様」という思いやりが重要であろう。

お互い様ですね。

ついに中国中央テレビ(CCTV)の夕方のニュースで公安部の談話として、反日デモで破壊行為があったことを認め、暴力行為のみならず無許可のデモを行わないよう、国民に訴えたようだ。中国の必死さが伺える。