from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

中国映画「故郷の香り」を観た

samso2005-03-09

今日は昨日よりさらに気温が上がって、コートを着ていられないぐらいだった。

毎週水曜日も映画の日で千円デーだというので、銀座まで中国映画を見に行った。観た映画は、霍建起(フォ・ジェンチイ)監督の「故郷の香り」(原題は「暖(ヌアン)」)。原作は、莫言(モォ・イエン)著「白い犬とブランコ」。主演は、郭小冬(グオ・シャオドン)、李佳(リー・ジア)、香川照之

北京の役所に勤める青年、井河(ジンハー)が恩師、曹(ツァオ)先生を助けるため、10年ぶりに山間の村に帰ってきた。恩師と一緒に恩師のうちに帰る途中、橋の上で初恋の女性、暖(ヌアン)に出会う。夫と子供と暮らす家を訪ねてくれと誘われたので、雨が降る翌日、井河は、暖の家を訪ねた。暖は、耳が不自由で口もきけない唖巴(ヤーバ)と6歳になる娘と暮らしていた。彼女の家で、娘と遊んだり、井河の仕事を手伝ったり、食事をしたりしてる間、井河は初恋時代に思いを馳せる。暖は、村にやってきた京劇男優に恋をしたりして、井河にはそれほど特別な感情を抱いていたかったが、京劇男優に失恋し、井河と結婚してもよいと思うようになる。井河が北京の大学に行く前に、二人が乗っていたブランコが壊れ、暖は片方の足が不自由になってしまう。井河は必ず迎えにくるからと言って、北京に行ってしまう。しばらくは手紙を交わすが、やがて手紙を出さなくなる。井河は、大学を卒業すると、北京の役所に勤め、結婚した。

前に観た同監督の「山の郵便配達」でも、情景がきれいだったが、今回のこの映画も、棚田、川縁、村の佇まいが本当にきれいに撮られていた。江西省の貽源県で撮影されたそうだ。日本だったら、そんな山間の村にも割と簡単に行けるが、中国ではかなり難しいと思われる。行くには覚悟が必要だ。中国が本当に豊かになって、都会の人がそういう所に住んでみたくなるような時が来るのだろうか。

ただひたすら暖の幸せを願う唖巴がいて、暖は幸せだと井河に言わせていた。でも、一番幸せなのは、愛する人のためになんでもやってしまう唖巴のような気がした。