from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

WMDと集団的自衛権の行使

JMM『「MD時代の安全保障とは何か」from 911/USAレポート』(冷泉彰彦)から。

MDを物理的に配備してゆくのであれば、MDという兵器の政治的性格については緻密な議論が避けては通れません。簡単に要約するならばMDの性格とは、(ア)専守防衛型兵器として理解が得やすいが軍事戦略上はミサイル戦争に参戦する装備以外の何物でもない、(イ)迎撃の成否、迎撃したミサイルの国籍、迎撃されたミサイルの国籍、そのミサイルの標的、装備していた弾頭の種類といった戦闘評価が全て高度に秘匿された「ハイテク情報」でしか得られない中で、政治的プロセスを通らなくては戦闘評価ができない、要は「事実が加工できる」あるいは「意図的に加工された事実しか出てこない」ということだと思います。そうした舌戦や心理戦を勝ち抜けない者にとっては、MDは自分へ刃を突きつけてくると言っても過言ではないでしょう。
私はMDを装備することで日本の安全保障は新しい段階を迎えると思います。にもかかわらず、今のような曖昧な同盟のままで「機密情報管理」などでアメリカの言いなりになるのは日本にとっては危険を増大させる一方で、安全を減少させる結果につながると思います。そのような政治判断は安全保障とは呼べないでしょう。

NIKKEI NET『武器輸出3原則緩和「検討すべき時期」・防衛相』。

大型連休を利用して訪米した日本の政治家から、武器輸出3原則の緩和や集団的自衛権の行使容認など、日米同盟の強化に向けた発言が相次いだ。
久間章生防衛相は2日、シンクタンクで講演し、武器輸出3原則について「日米で装備品の共同開発が進むことを考えれば、現在のままでいいのか検討する時期に来ている」と述べ、一層の緩和が必要との認識を示した。
日本は米国とのミサイル防衛の共同開発のため3原則を一部緩和したほか、インドネシアには海賊対策として巡視船を供与している。こうした例を踏まえて防衛相は「ケース・バイ・ケースで考えることになるだろう」との見通しを示した。
額賀福志郎防衛庁長官シンクタンクでの講演で「米国に向かうかもしれない弾道ミサイルをレーダーで捕捉しても、迎撃せずに傍観することで良いのか。憲法解釈を見直し、集団的自衛権の行使を認めるべきだ」と指摘した。