from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

WBC

[ http://ryumurakami.jmm.co.jp/ :title=JMM]『「イッチロー」Younghee Ahn の韓国レポート』

今回はWBCの話にしようかと思う。なんせ、日本は優勝し、韓国はベスト4に入ったんだから。でも、日韓戦が何回もあってその都度イチロー選手のコメントが韓国語で翻訳され、韓国の人たちの逆鱗に触れたようだ。
まず、2月21日代表合宿初日のコメント「戦った相手に、向こう30年は日本に手は出せないな、という思いになるほどの勝ち方をしたい」は、「韓国が日本を三十年間は勝てないようにしてやる」と、翻訳された。これを聞いて「イチロー選手ってメジャーリーグで活躍してて好感を持ってたのに」と、ゲンナリした韓国人も多かった。もちろん、好きでもなかった一般の人たちは、これを「イチローの三十年妄言」と憤慨し、減らず口をたたくなという意味とイチローにかけて「イッチロー(口治療)」と呼んだ。
そして、最初の対戦で韓国が逆転勝ちした時、イチロー選手は「僕の野球人生でもっとも屈辱的な日ですね。」とコメント。それに対し、韓国のネットでは「イチローの屈辱事件」と題し、7回裏でデッドボールに当たったイチロー選手の写真が出回った。最後の写真はデッドボールを出したべ選手の薄笑い。しかし、これが韓国人の普通の気持ちだったのかも知れない。
先日、仕事を一緒にしたテレビ局のディレクターが「最近、韓国のテレビで流行ってるものは何ですか」と、聞いたので「最近、ドラマでは『宮』というのが流行ってます。原作は韓国の漫画で、現代の韓国は王様がいないけれど、宮殿はあって、その宮殿に英国や日本みたいに実際に王様が住んでいればいいな、という架空の設定から始まってるのです。」と、答えたところ、そのディレクターは「韓国は、昔王様がいたんですか」と聞いた。「それで、なぜ王様がいなくなったんですか」と、続いた。
彼の質問を聞いていると、筆者はいやな気分になった。韓国という国になる以前、朝鮮半島には「朝鮮」という国があった。そして、日本は1910年(明治43年)にその「朝鮮」を併合し、朝鮮総督府を設立した。併合したからってすぐに朝鮮王を抹殺したわけではないけれど、彼らは名ばかりが残り結局皇孫は途絶えた。
こんなことは、韓国人なら誰でも基本的に知っている。しかし、日本人は知らない人も多いだろう。たかが、スポーツに愛国心を燃やすのはどうかと思うが、いつも日本との対戦になると、「どうしても勝たねば」という気持ちになるのだ。
イチロー選手は、別段韓国にだけ向けて言ったのではないにしても、韓国側はそう受け止めてしまう。これをコンプレックスというのなら、そうかも知れない。筆者も日本にいた頃、両親から散々「日本の子達に負けるな」と言われてきたのだから。
韓国のマスコミも群集心理に便乗してイチロー選手を揶揄していたが、アメリカとの対戦で日本が負けた時は、「日本がかわいそうだ」などと親身になっていた。やはり、アメリカよりは、日本の肩を持つのだろうか。その後、準決勝で日本に負けた時は、韓国は負けたのに「実際は、7対0で我々が勝ったも同然」などと言った。