from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

前頭葉産業

Drill100.comから。

百ます計算の成果の医学的な裏付けとして、東北大学教授の川島隆太博士の「前頭前野」研究が、注目されています。簡単な計算をスピードを出して行うことにより、脳が活性化し、準備運動となって記憶力を高めるそうです。

東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」から。

脳に蓄えられている知識を実際の場でどのように使うかは、脳の司令塔としての「前頭前野」の働きによります。つまり蓄えられた知識をうまく活用したり、現実をうまく処理したりする「本当の頭のよさ」とは「前頭前野」をうまく使えるかどうかにかかっているのです。そのため、「前頭前野」をどんどん使って鍛えることは、頭が良くなることに通じるということです。
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脳を鍛えるには簡単な計算を速く解くこと、声を出して文章を読むことが有効であることがわかります。この結果に基づいて、私は小学生から成人までを対象として記憶力のテストを行いました。その結果、簡単な計算と音読の前と後とで記憶力が2〜3割もアップするといったデータが得られました。また、認知症患者に計算と音読を週に2〜5日行ってもらったところ、学習を行っていない人たちに比べ、認知機能の低下の防止、前頭葉機能の改善に成功したのです。

放送大学で、この教授は、ゲームは脳をリラックスさせるだけだから長くやらない方がいいと言っていた。自分が監修のゲームは別ということか。

茂木健一郎先生講演「脳科学の最前線とその課題−クオリア、創造性、コミュニケーションを中心に」にから。

人間の能力は多様なもので、単純に記憶力がいい、ドリルができる、などで測れるものではないとわれわれは考えています。「脳を鍛えるドリル」は、専門家の間では非常に評判が悪いです。あのようなものが人間の能力の本質であるとは思ってはいけないのです。人間の能力というのはもっと多様なものであって、ドリルをやって前頭葉が活性化されたからといって、大したことではないのです。もっと違うものが人間の能力を支えているのです。

茂木健一郎さんが書き込んだレビュー」から。

日本の「知のデフレ」現象はもはや来るところまで来た感じだ。電車の中で化粧をすると前頭葉がダメになっているとか、ドリルをやると前頭葉が活性化するうんぬんの「前頭葉産業」を通して脳科学が知のデフレを加速していることには心が痛む。