from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

小泉ライオン

森永卓郎:「憲法改正大合唱」の時代だからこそ憲法9条の原点を見直せ』から。

日本経済は金持ち階級とそれ以外の二極化が進んでおり、地方経済の疲弊ぶりは悲惨だ。北海道と沖縄にはいわゆる勝ち組がおらず、勝ち組が出てくる地域では一般庶民は根拠のない期待を抱いて勝ち組にすり寄る。そんな構造が出来上がりつつある。
厚生労働省の調査ではすでに非正社員の比率は全産業の約35%にも達している。彼らの年収は120万円程度だ。私がいう“年収300万円”なんていう生ぬるい世界ではない。こうなると、自暴自棄になって破壊願望さえ現れてくる。それが実は現在の小泉支持の本当の理由ではないかと思っている。
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1930年に総選挙で圧勝したライオン宰相こと浜口雄幸総理は後に東京駅で右翼の凶弾に倒れるが、彼を支えた大政翼賛会的空気はそのまま残った。挙国一致体制の風がいったん吹き始めると、トップに好戦的な人間が座ればたちまち、戦争に邁進する構図ができる。
実際、浜口総理自身は戦争反対だったが、暗殺後、日本は戦争に向かって突き進み、1945年の敗戦までの15年間、ずっとその空気が続いた。現在はその当時と酷似している。まさか小泉総理は戦争反対だとは思うが、後釜に誰が座るかで決まってしまう。戦争というリアリティが薄らぐ中で、明らかに右傾化が進んでいる。

今日は、太平洋戦争が始まった日。国立公文書館アジア歴史資料センターのHPで開戦前の日米交渉を記録した大量の公文書の公開が始まった。