from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

耐震偽造(5)

TBS News「強度偽造、問題指摘後も姉歯氏に依頼」。

2日、姉歯建築士の偽造を最初に見抜いた東京渋谷区の設計事務所社長が記者会見を開きました。1年半前の去年1月、横浜市の設計会社から検証を頼まれて、姉歯建築士が作成した書類を目にしたといいます。
「普段やっている鉄筋本数より、かなり少ないなというのは感じたんですよ。地震の時にかかる『水平力』、横の力ですね。それが4分の1にしてあったんですよ」(『偽造』の第一発見者 アトラス設計 渡辺幸社長)
渡辺社長がおかしいと思ったのは姉歯氏が書いた東京・港区の10階建てのビルの構造計算書。この図面は、マンション1階の梁の断面部分に当たります。姉歯建築士の図面は直径25ミリの鉄筋が5本しか入っていませんでした。
一方、これは偽装を見抜いた設計事務所社長が、本来あるべき強度を計算して書き直したもの。実際には、直径32ミリの鉄筋を17本入れるべきだという結果が出ました。姉歯氏の書いた図面とは鉄筋の太さも本数もまったく違うことがわかります。
「(姉歯氏に)こことここがおかしいですから、『訂正してください』と言ったら、姉歯さんも最初、『うっ』という感じで一瞬ですけどね。外注に任せちゃったんで『僕、よく分かってないんです』というような言い訳をして」(アトラス設計社長)
このビルの設計を任された横浜市の設計会社は、「そもそも、姉歯氏を紹介された場所に総合経営研究所の幹部がいた」と証言します。
「今回、新しい工法があるんだけど、できればこの構造事務所(姉歯氏)を使ってくれないか、と。向こうの要望だったら仕方ないのかなということで、姉歯設計を使うと。いやいや、平成設計ですね」(横浜市の設計会社)
工事期間が短く済むという方法と姉歯氏を薦めたという「総研」。この場の話を主導したのも、総研だったといいます。
総合経営研究所の○○さんがほとんど説明していた。この方が主張する工法について理解しているので、そちら(姉歯)にやらせた方が・・・」(横浜市の設計会社)
この後、横浜市の設計会社と渡辺社長は検査機関だけでなく、木村建設、そして総研に対しても、姉歯建築士の構造計算書に問題があると通告していました。
しかし、その後も総研と木村建設姉歯氏と仕事を続け、欠陥を抱えたマンションが次々と建てられることとなったのです。
こうした中、2日夜、総研の内河所長が記者会見を開きました。
「私は18日にテレビ報道されましたが、それまで姉歯という言葉をちっとも聞いたことがありませんし、姉歯建築士とはお会いをしたこともございません。今回のホテルでも、全部工期が早いのが喜ばれているので、必ずしもコストを無茶苦茶に、法律違反をしてまで下げろとはいっぺんも言ったことはありません。我々の頭の中にも全然ありません」(総合経営研究所 内河 健所長)
また、姉歯設計士をあっ旋したと名指しされた総研の社員もこう反論しました。
(Q.構造計算に姉歯を使えと指示した?)
「私は構造計算は分かりませんので、そういうことは一度も申し上げていません」(姉歯設計士をあっ旋したとされる社員)
「我々も、本当のところはだまされたなあという感じがしているのが本音です」(内河 健所長)