from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

山寨機製造で潤う?

BPnet「莫邦富:まがいもの携帯で潤う深セン・東莞地区の電子情報産業」から。

東莞市内を回ると、窓ガラスが割られ、人気のないひっそりとした工場をたくさん見かけた。現地の経営者によれば、倒産企業は1万社にのぼるというが、東莞市政府による公式な発表は見あたらない。もともと治安が悪いことで知られる東莞は、失業人口の増加でさらに厳しい治安問題にさらされている。オートバイ強盗による強奪事件があまりにも多発しているので、その対策に手を焼いた東莞市政府はとうとう市内ではオートバイの走行を禁じるという窮余の策を打つことにした。
東莞で精密機械を製造しているある台湾企業の総経理が、私の訪問を受けて「景気はもちろん大変だが、台湾と比べれば、こちらはまだいいほうだ。台湾の本社はまったく注文を取れていないが、私たちは昨年の実績比で6割ほどの注文は少なくとも確保できた。厳しいが、会社は維持できる。やはり中国本土のニーズに助けられている」と答えている。その意味では、委託加工関連産業でも健闘している企業もまだまだある。
電気製品の外側ケースの製造に必要なプレス工作機を製品メーカーに販売することを手がけている同社は、その技術力を生かして、自ら携帯電話機の金属ケースなどの製造にも乗り出した。「中国本土やアジアの新興国、アフリカ諸国では“山寨機(さんざいき)”とよばれる非ブランド品の携帯電話機に対するニーズがなかなか根強い。こうしたビジネスチャンスをこまめに拾おうと考えている」という。
ちなみに山寨機とは、電波法などで規定している政府の型式認可を受けていない闇製造の携帯電話機のことを言う。“山寨”は、盗賊が逃げ込むため、または反政府勢力が政府管轄下から逃れるために、山奥に築いたとりでに立てこもることを指す言葉だ。

ASCII.jp『山谷剛史の「中国IT小話」:中国で話題を集める自作ケータイ&デジカメ「山寨機」
「持つだけで(それなりに)ステータス」となる外国メーカーの携帯電話機と、「安価で多機能を目指した」ノンブランドの携帯電話機に挟まれた、中国メーカーの携帯電話が売れないという事態が生じている。
つまり、ノンブランド携帯電話機の台頭で最も割を食ったのが中国メーカーなのだ。実際ここ最近の中国の携帯電話メーカー(家電メーカー含む)の四半期決算を調べると、多くのメーカーが前年同期比でマイナス成長となっている。詳しく見ると、山寨機に対抗して、利潤を減らし値下げ攻勢をせざるを得ない状態が見えてくる。