from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

ご褒美をあげるから

zatsugaku.com「認知的評価理論」から。

人が何かに対して動機づけられる要因は、主として外発的なものと内発的なものに分類される。「ご褒美をあげるから」というのは典型的な外発的要因。一方、それそのものが楽しいというのが内発的要因だ。さいきんでは、外発的要因を高めると、内発的要因が低下するといった報告がなされている。ここに、認知的評価理論が関係する。つまり、ご褒美があることで、味覚の喜びをご褒美のためとラベリングしてしまう。それが食事の楽しみという内発性を下げるのだと。
こうした知見は企業でもそのまま、成果報酬と仕事のやりがいの関係にあてはまるから、やっかいだ。まだ議論の続くところだけれど、少なくとも子どもを前には、ご褒美を前提としない努力をしている。そして気づいたのは、ご褒美を前提としないためには、対象自体の魅力を伝えなくてはならないということ。それはすなわち、自分の感性を磨くことにほかならなかった。

子どもがご飯を食べないときは、「〜とかしてあげないからね」とつい言ってしまう。味覚の喜びを感じてもらうためには、美味しい料理を作らないといけない。今の日常生活の中ではかなり難しい。