from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

科学技術分野の実力

立花隆:対日戦争勝利記念式典に思う 日本と中国、その原点と未来」から。

そのエネルギーをIEEEのEMBC年次総会でも感じた。分厚いプログラムと、情報がいっぱいつまったCD-ROMをもらったが、そこにも中国のエネルギーがいっぱいだった。たとえば、提出されている論文は二千数百をかぞえるが、その大半が中国人によるものである。名前のインデックスを見たら、中国人名のオンパレードで、たとえば、ワン(Wang。王)さんは200人以上いたし、チャン(Zhang。張や章)さんは150人くらいいた。欧米人、日本人、他のアジア人もいるにはいるが、全部合わせても中国人の十分の一程度だろう。
これは、この学会にはじまった話ではない。すでにあらゆる科学と技術の分野で同じような現象がはじまっている。さまざまな学会の専門学術論文誌が中国人の論文でいっぱいになりつつある。
日本人はとかく中国人を見下しがちで、経済力がついたといっても、技術は低いだろうとか、技術を身につけたといっても、先端技術の分野は遅れているだろう、技術は身につけても基礎科学のほうはまだまだだろうなどと思いがちだが、事実はそうではない。いま中国は、先端技術の分野でも、基礎科学の分野でも、世界のトップ集団の中にいる。
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私は、中国の国家レベルの科学技術政策の決定過程を現場で実地に調査してきた人を友人に持つが、しばらく前にこんなことをいっていた。 「中国の学術論文は水準が低いなどといわれていたのは、かなり前のことで、いまはグローバル・スタンダードです。むしろ日本の若い研究者のほうがはるかに水準が低い分野が沢山ある。いずれにしても若手の研究者の人材の厚みが決定的にちがいますから、あと5、6年もすると、科学技術分野のほとんどあらゆる分野で日本は中国に追い抜かれます。一般の日本人はそういう実情をほとんど何も知りませんから、理由もなく、科学技術なら日本のほうが上だろうと思っている。科学技術分野で中国に抜かれたら、経済上の日本の優位性もすぐに消えます」

中国反日情報「専門家分析:韓国の科学技術の着手は中国より10年遅い なぜに越せないのか その2」から。

中国に優秀な科学技術者がいないわけではない。しかし、縦割り行政の弊害により、優秀な科学技術者の革新能力は十分に発揮できているとは言えない。ある地方では官僚主義が横行し、科学技術者が受けられるべき待遇を受けられず、交際能力の欠如から、困窮に陥っている。
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中国では、科学技術の革新を政府が推進している。政府の主導の元、科学技術の経費が計上され、科学技術の成果の評価が行われ、科学技術の成果と普及から科学技術者の賞与まで大きく政府に依頼している。このような科学技術の促進の体制は、容易に官僚主義を招き、容易に努力と成果が連動しない現象を引起こし、惰性を招き、民間の科学技術の革新活動を抹殺にまで至るのである。