from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

文明

池澤夏樹さんの「異国の客」-「高校生、法王の死、シャルトルと須賀敦子 その4」から。

文明とは人と物資の集中であり、その誇示である。
ピラミッドが示しているのは卓越したデザイナーの知力である以上に数十万人の労働者の筋肉労働であり、それを支えた農夫たちの営々たる食糧生産である。社会の安定と、国家制度の整備。
どうも巨大建造物を見ると、人の知力の結晶としての側面よりも、その下によどむ労働の総量の方に目が行く。

同感。実際に作った労働者の功績は残らず、作らせた支配者の名のみ残る。しかし、平等社会ではろくなモノしか残らない。