from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

asahi.comの「遅れ回復の120キロ走行、運転士の常識 JR宝塚線」から、

快速電車の脱線事故が起きたJR宝塚線では、「直線でとばし、カーブ直前で急ブレーキをかける」という運転方法が、遅れを回復するための「裏技」として運転士の常識になっていた。背景には、会社からの厳しい「ペナルティー」を恐れる運転士の心理や、ライバルの私鉄との競争を勝ち抜くために、スピードアップと過密ダイヤとを追い求めてきたJR西日本の姿勢がある。
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運転士たちがここまで遅れを恐れるのには理由がある。ミスをした運転士に課される「日勤教育」だ。
日勤教育は、電車の遅れなど問題となった状況を振り返り、原因を考えるリポートを、電車区の区長や助役が勤務する部屋の一角で書かせるものだ。リポートだけでなく、草むしりや窓ふき、ペンキ塗りの作業まである。
耐えきれず、01年に自殺した男性運転士(当時44)もいる。その運転士が日勤教育を受けさせられた理由は、京都駅で約50秒、発車が遅れたというものだった。

今時こんなことをやっているとは。でも本当なのかなあ。
同じasahi.comには、「90秒遅れ、欧米では「時間通り」 日本では定刻が常識」と題して、

ニューヨーク市交通局が列車の遅れと認めるのは「最終駅到着が5分遅れた」とき。
ドイツではどれだけ遅れたのかではなく、遅れの原因を問題にする。
英国の大手鉄道会社バージン・トレインズは「短距離の列車では、ラッシュアワーで4分を超えたら『遅れ』とみなす」。
鉄道会社トレンイタリアは「5分から15分程度の遅れは乗客も認めていると思う」と言う。

とあって、さらに、

交通評論家の角本良平さんは、鉄道に限らず正確さを求める日本の国民性の背景には、人口密度の高さがあるとみる。「運行の精密さが安全の前提であり、時間の正確さの上に安全が成り立っている」という。

と。人口密度の高さが原因とは考えにくい。日本の都市と同程度に人口密度が高い都市はいくつもある。世界の平均レベルから見れば、行き過ぎとも思える秩序、勤勉、礼儀を重んじる国民性はどこから来たのか。道徳教育かな。道徳教育の欠如を嘆く人達がいるようだけど、無理矢理枠にはめ込む教育は社会のひずみを大きくするだけだと思うけど。