from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

困難が続く

田中宇第2の正念場を迎えた福島原発事故」から。

格納容器に汚染水がたまっても、本来は、容器外部には漏れ出ないことになっていた。しかし実際には、水素もしくは水蒸気の爆発によって、格納容器の下の方(圧力制御室?)に穴が開き、そこから冷却水が漏れ出している。2号機と3号機では、原子炉内の放射能を封じ込めていた圧力容器と格納容器という、割れないはずの2つのお釜が、両方とも割れてしまっている。1号機も燃料棒が溶融し、圧力容器も2号機や3号機ほどではないものの損傷していると発表されている。(4−6号機は定期点検中で、燃料棒が炉内になかった)
1−3号機では、圧力容器からの水の漏洩状況が把握しにくく、炉内の燃料棒の溶融状況も確定できない二重の非常事態で、圧力容器にどの程度の冷却水を入れ続ければよいか、手探り状態の原子炉運転が続いている。通常電源の配線が復旧して通常のポンプを動かせるまで、かなりの時間がかかりそうだし、通常の冷却水循環機能を回復する際には、切り替えの難しさがある。その後の手探り状態の運転が安定してから、さらに何年も冷却水の循環を続け、炉心を冷やしてから廃炉の作業に入ることになる。こうした「冷やす水」の対策とは別に、圧力容器からの汚染された「漏れる水」の対策も続けねばならない。これらの「第2の正念場」の工程の中で大きな失敗があると、炉内が再び高温になって、大気への大量の放射能漏れという「第1の正念場」の危険に戻りかねない。しかし、そうした不測の事態がなければ、事態は沈静化していく傾向にある。