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子育ての日々の断片を書き綴る

新型インフルエンザワクチンの重篤な副作用発生頻度は季節性インフルエンザワクチンの10倍

JMM「高畑紀一:新型インフルエンザ副作用への対応の彼我の違い」

11月23日、グラクソ・スミスクライン社(GSK)がカナダで製造した新型インフルエンザワクチンが、想定を超える副作用が報告され、GSKがカナダ政府に同磁器に製造されたワクチンの使用中止を要請したことが報じられた。通常10万人に1人の割合で生じるアナフィラキシーショックが、2万人に1人の割合で生じたというもの。「日本も輸入予定のワクチン」としてテレビのニュース等で報じられたのであるから、報道を目にした多くの国民は「GSKのワクチンは危険」「輸入ワクチンは危険」といった印象を持ったのではないだろうか。
一方、国内産ワクチンについては、21日に厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会の合同会議が開かれ、国内産新型インフルエンザワクチンの安全性について「季節性インフルエンザワクチンと差は無く、現時点では重大な懸念は示されていない」と見解をまとめている。しかし、医療従事者約2万2千人を対象とした安全性調査で、入院を必要とした重篤な副作用が6件(約0.03%)報告されており、一般の医療機関からの副作用報告では、推定約450万人の接種に対し、重篤な副作用報告は68件(内死亡が13件)で約0.002%となっている。これらの報告数と季節性インフルエンザワクチンの副作用報告数を比較すると、季節性インフルエンザワクチンの場合、2008年度は推定約4740万人の接種に対し、重篤な副作用は121件で約0.0002%となっており、新型インフルエンザワクチンの重篤な副作用発生頻度は、季節性インフルエンザワクチンの10倍となる(医療従事者を対象とした安全性調査では100倍)。もちろん、これらの報告件数を単純に比較することは適切ではないかもしれない。事実、21日の合同会議では「報告の基準が異なり、単純に比較できない」との認識で一致したと報じられている。