from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

八ッ場ダムを作らなくていい理由

保坂展人のどこどこ日記「八ツ場ダムの7不思議 (転載)」から。

八ツ場ダムの七不思議
1.半世紀が過ぎてもまだできない:八ツ場ダムは特定多目的ダム法に基づく治水、利水を目的とした多目的ダムだが、1952年のダム計画浮上から57年が経過した。ゼロ歳だった人でも57歳になんなんとす。疲れ果てて反対運動の旗を住民が降ろしたのは1992年。それから17年が経ち、総事業予算の7割が消化されたが、事業完成度は2008年度末で付替国道6%、付替県道2%、付替鉄道75%、代替地造成10%など、完成までの道のりは遠い。3000億円強はどこへ消えたのか?
2.東京五輪渇水に備える事業?!国内外から大勢の人々が集まるオリンピック渇水に備えるためのダム。といっても石原知事が招致を進める2016年五輪ではない。1964年のことだ。東京都の水需要は1975年から減少を始め、日量最大690万トンの供給力に対し、170万トンが余っている。
3.1日53トンの石灰が必要:上流の草津温泉から流れ出る湯は、ダムを作ってもコンクリートが溶けるほどの強酸性。ゆえに一端は計画が頓挫した。しかし、1963年に石灰を投入する「中和工場」を完成させ計画が復活。以来、1日約53トンの石灰が投入され、ダムを作る限りは未来永劫にそれを続ける必要がある。
4.石灰の沈殿物を貯めるダムと土捨て場が必要:石灰の投入でできる中和生成物を沈殿させるために1965年に品木ダムを建設。その沈殿物を浚渫し、捨てにいく新しい土捨て場も未来永劫に必要になる。
5.3人の首相と3人の世襲がガード:ダム予定地(長野原町)を抱える選挙区からは福田赳夫中曽根康弘小渕恵三と3首相が出てこの事業を推進。そんな選挙区は他にはない。世襲した福田康夫中曽根弘文は隣の小選挙区参議院群馬県に陣取り、ご当地は小渕優子が後継(敬称略)。前政権を象徴する因果な事業である。
6.ダム湖周辺は浅間山噴火で崩れた山の残骸:1783年の天明の大噴火で泥流死者1538人を出した浅間山。当時、死体が東京湾まで押し流されたことが古文書に残る。その泥流が積もったグサグサの地質に地すべりの大敵である水を貯めることになるのが八ツ場ダム。22箇所の地すべり地が判明しているがコスト縮減のため、2箇所しか対策をしない。さらなる追加対策予算が必要になると反対団体は指摘する。
7.カスリーン台風への効果はゼロ:1947年のカスリーン台風被害が発端の計画だが、同台風が再来しても効果はゼロであることが国会で暴露された。

保坂展人のどこどこ日記「八ッ場ダムが「災害」を増幅する危険性」から。

この数日間、八ッ場ダムのことを集中して書いてきた。 とくにテレビ報道があまりに極端な「つくらないともったいない」「ダム建設に翻弄された住民の涙」などと国土交通省河川局提供なのかと思わせるような番組を垂れ流していたので、何とかしなければならないと考えたからだ。反響は大きく、ついに9月24日のアクセス数は25000IP/53000PV(gooブログアドバンス3位)にまでふくらんだ。ある民放のテレビ局のアナウンサーからも電話をもらった。自分たちが流してきた情報はもしかしたら表面にすぎず、八ッ場ダム問題の根底にある重要な領域を外してしまっているのではないかという自戒が生まれてきていると感じた。ぜひ、深く根底をえぐる報道番組をつくってほしい。
きっこのブログにも気になる記事が⇒八ッ場ダム報道でヤラセ発覚

大野ひろみ県議県Go!Go!「八ッ場ダム中止をバッシングするマスコミは恥を知れ!」から。

今ネット上で、いろんなブログが取り上げているのが、「八ッ場中止は困る!」と泣き叫んでいた「地元住民」という女性が、実は八ッ場ダムばりばり推進派の町議会議員だったという話題だ。
「涙でダムが一杯になるほど泣いた」などと名(?)セリフを吐いた彼女だが、とうとう正体がばれて、現在長野原町役場には苦情の電話やメールが殺到しているとか。
しかし、一番責められるべきは、こうした自称「地元住民」の正体を知ってか知らずか、「これでも八ッ場ダムを止めるのか!」とウソ八百のヤラセ情報を垂れ流し、民主党をバッシングし続けたマスコミだろう。公共の電波や紙面を使って、ダム推進派の一方的な主張を偏重報道した責任を、一体どう考えるのか。
今えらそうなことをおっしゃるマスコミの方々に言いたい。
50年前、住民が必死の思いで八ッ場ダム建設に反対したとき、あなた方は何を報道したのか?それこそ、本物の涙で一杯の住民たちの姿があったはずだ。
今の記者さんたちは、その時には生まれてもいないだろう。
「おれたち、知らんもんね」・・・ですか?
じゃあ、今の記者さんたちに言いたい。
あなた方は、つい最近まで国交省が住民をだまし、懐柔し、札びらでほっぺたを張り飛ばしながら、川原湯温泉から人々を追い出し、あるいは地価のものすごく高い代替地を押し付けた経過をご存知ないのか?もっと言うなら、今テレビで「八ッ場ダム絶対推進!」と叫んでいる住民とやらが、どれほどの補償金をもらえるかを、ご存じないのか?彼らの一部が国交省とどんな付き合い方をしているか、ご存じないのか?
ここでは詳しく書けないけれど、真実を知ったら、もう「可愛そうな人たち」などとは言えなくなりますよ・・・
最初は2110億円だった八ッ場ダム事業費を、いともやすやすと、2倍以上の4600億円に引き上げたとき、あるいは、工期が10年も引き延ばされたとき、何にも疑問を感じなかったのか?私たちが、議会で懸命に「異」を唱えていたことをご存じないのか?