from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

医療機能が破たんする

JMM「村重直子:死者数を増やすのは医系技官かウイルスか?」から。

医療費抑制政策を30年近くも続けてきた日本では、極度の人件費削減により、患者のたらい回しが起こるほど、医師不足など現場の人手不足は深刻です。米国MD Andersonがんセンターと愛知県がんセンターは、ほぼ同じ規模と機能をもちますが、それぞれの全職員数は100床当たり3125人と186人で、実に17倍の違いがあります。大まかにいえば、日本の医療者1人で、米国の医療者の17人分働いているのです。このような状態で、例えば、救命救急センターに救急車で運ばれる患者が3人から4人になるだけでも、33%の負担増ですから、あっという間に次の患者を受け入れられなくなります。普段から、毎日が非常事態のような状況なのです。
そこへ、新型インフルエンザ流行のピークが来れば、多数の患者が発生します。そのほとんどは自然治癒しますが、もし、その軽症患者が医療機関へ押し寄せたら、医療機能が破たんするのは明白です。重症患者が病院へ行っても医療を受けられず、命を落とすことになります。ですから、重症患者の命を守るということは、病院を守ることなのです。