from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

自民党の冥王星

nikkeibp『民主勝ち過ぎ、「2大政党制」雲散霧消か

3年前、ポスト小泉を決める総裁選に手を挙げた。「年金改革をやるなら河野太郎、やらないなら安倍晋三」というキャッチフレーズを掲げ、20人の推薦人を集めたが、結局13人しか集まらなかった。河野は語る。
「今にして思えば、自民党の間違いはそこから始まったのではないかと思います。もしあの時、河野太郎が総理をやっていれば、少なくとも、今、年金制度だけは抜本的な改革が終わっているはず」
昨年6月に発足した自民党の「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」では中心的な役割を果たした。各省庁、すべての予算を総点検、課長クラスのヒアリングに要した時間は延べ200時間を超えた。
あまりにバラ色の説明で胡散臭いと感じた時は、担当部署など現場に乗り込み、予算の使い道を徹底的にチェックして詰めた。ついには局長や次官クラスが自民党本部の重鎮に「何とかしてくれ」と泣きついた。
河野は、元首相の森喜朗に呼ばれ、「おまえいい加減にしろ」と怒られたという。その度に、「何で私がいい加減にしないといけないんですか。いい加減しろと言う矛先は役所でしょ。役所に言ってください」とケンカした。
河野は特に“国立マンガ喫茶”として有名になった、「メディア芸術総合センター」に噛みついた。土地に30億円、建物に70億円、設備に16億円、事務費に1億円、合わせて117億円。「中に入れるマンガやアニメやゲームの予算が残っていないじゃないか」と突っ込むと、「ご寄付いただこうかと思います」と文科省
「(著名なアニメ作家、監督、脚本家である)宮崎駿さんがそっぽを向いたら、宮崎アニメは建物に入らないじゃないか。そんなのありか。じゃあ、どうやって運営するんだ」と聞くと、入場料収入で1億5000万円、グッズの売り上げで2億円、合計3億5000万円を見込んでおり、それで賄うと言う。
「入場料収入はいいけれど、グッズの2億円は仕入れがあるよね。当然、全部使えないよね。仕入れは幾らなの」と詰めると、課長は「えっ、それは、その…」と言ったまま絶句したという。
「もうこれはダメだね、はい凍結」と結論を下した河野は、またしても前財務大臣与謝野馨から、「河野はマンガやアニメやゲームの重要性をちっとも分かっとらん。けしからん」と怒られた。河野は言う。
「けしからんのは財務大臣でしょ。マンガやアニメやゲームが日本の文化として海外で評価されていることも、経済的に重要であることも十分に分かっている。でも、何で117億円かけて5階建ての建物を作ると、マンガやアニメやゲームの産業が盛んになるのか。何の説明もない」