from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

トウモロコシ禍

BPnet「石弘之:あなたの体はトウモロコシでできている

カリフォルニア大学バークレー校のトッド・ドーソン教授は、頭髪中のトウモロコシ由来の炭素を分析することで、どれだけトウモロコシを食べているかを調べている。自分自身の髪の毛の炭素を分析したところ、69%までがトウモロコシ由来だった。米国人のほぼ平均である。
ところが、トウモロコシを食べる量が桁違いに少ないイタリアに3ヵ月滞在して頭髪を分析したところ、わずか10%に落ちていた。地域的、時代的な比較はないが、現在の米国人の食生活で、史上もっともトウモロコシが多く食べられていることを示すものという。
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トウモロコシの最大の用途は飼料である。牧草で育つ牛は消化の悪い草を食べるために胃袋は4つに分かれ、食べた物を口へと戻して再びかみ砕き、大量の胃酸を分泌することで吸収しやすくしている。しかし、トウモロコシはでんぷん質が多くて消化がよく、牛は効率よく吸収できる。そのため、胃袋は胃酸過多になって穴が開き感染症で死亡する牛が増える。その予防のために牛には「抗生物質」などの薬が大量に与えられる。
安価なトウモロコシ飼料を食べさせ、狭い畜舎で過密飼育するために、広い放牧地は不要になり肉のコストが下がる。欧米や日本では、生活費に占める食費の割合が下がり続け、相対的な価格では今や史上もっとも安く肉が食べられる時代になった。チェーン店のハンバーガーや牛丼がこれほど安い理由でもある。