NIKKEI NET「オバマ大統領、ホワイトハウス高官の昇給凍結 初の大統領令」。
オバマ米大統領は21日、初の大統領令と大統領覚書に署名し、ホワイトハウス高官の昇給凍結など職員の倫理規定の厳格化、公文書公開の対象拡大を命じた。昇給凍結は首席補佐官ら年収10万ドル(約890万円)以上の高官が対象となる見通し。「ワシントンの変革」を掲げてきた大統領はまず、足元のホワイトハウスから改革への第一歩を踏み出した。
ホワイトハウス高官の宣誓式で、大統領令2本と大統領覚書3本に署名した。すべて行政のあり方について定めた内容で税金の無駄遣い、官民癒着の廃止、情報公開を通じた行政の透明性の拡大という3つの目的が柱となっている。
大統領は宣誓前の高官に「公職は特権ではなく、個人への利益はない」「経済危機下、家庭は財布のヒモを締めている。ワシントンも同様にすべきだ」などと訓示した。
NBonline『水野博泰の「話題潜行」from NY「オバマ演説、盛り上がり8分目の理由」』から。
演説が終わって群衆が一斉に移動を始めると、本来は芝生が張ってあるモールの地面があらわになってきた。そこに残されていたのは、ゴミ、ゴミ、ゴミ。新聞紙、食べ物や飲み物の容器、バナナの皮、リンゴの食べ残し、毛布、手袋、壊れた折りたたみ椅子…。
あれだけの人が集まれば多少のゴミが出るのは当然だとしても、それにしてもすさまじい量である。しかも、オバマの意味深い演説を聴いた直後だけに、はっきり言って、興ざめし、呆れ果てた。帰り際、近道をしようとしてフェンスを力ずくで倒し、植木を踏み折っていく者たちもいた。
「な〜んだ、米国人のほとんどはオバマの感動的な演説を聴いて陶酔し、感涙を流して気持ちよくなりたいだけで、自分が変わろうなんて気はこれっぽっちもないじゃないか。これじゃ、オバマが言ってることはまるっきり伝わっていないな」
万が一、オバマブームが流行の有名人を追うだけの一過性の熱狂に過ぎないとしたら、アメリカという国はいったいどこまで落ち込んでいくのだろうか。「期待していたものとは違う」と言って国民はオバマ政権を口汚くののしり始めるのだろうか。ブッシュ政権にそうしたように。あるいは、オバマの方が国民に失望し、その政治姿勢を大きく変えるようなことになるのだろうか。
米国は、米国民は本当に変われるのか。変わる気があるのか。華やかなはずの大統領就任式の後、筆者の脳裏に残ったのは、米国の過酷な未来への暗示だけだった。