from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

公務と言論の自由

NBonline伊東乾:オバマ政権とアフリカ政策」から。

内閣府関係者がテレビ中継を阻止したのは、田母神氏が「自衛官表現の自由がある」という、憲法の1の1を理解しない発言を内外にメディア発信することを、議会が恐れたからでしょう。国の基本ルールの根本を理解しない人物が日本の航空武力を直接指揮する立場にあった、という時点で、国際政治的にも、経済的にも、日本の格付けはかなり下がってしまいます。
自衛官という者は、国民の血税によって賄われる武器弾薬などを司り、防衛という国家の重要な役務に関わる「公務員」です。
そして、あらゆる公務員は、職務に関わる内容に関して「表現の自由」という基本的人権の一部を制限されます。なぜなら「公務に関わる限り、公務員は<国民>ではなく<国権の一部>を担っているから、憲法によって放埓を厳に戒められているからです。
田母神氏も然りながら、麻生氏がふと漏らしてしまった「そら言論の自由はありますよ。誰であろうと、日本人であるなら」が、最も重篤です。内閣総理大臣自衛隊の最高司令官でもあります。日本の自衛力の最高司令官と空自のトップが、そろって憲法の意味を誤解していることが懸念されます。誰であろうと言論の自由がある、として、日本人の内閣総理大臣が国防の最高機密や、外交上極めてデリケートな案件についてベラベラしゃべったらどうなりますか? 
さらに自民党の「国防部会」が、もし「政治家(statesman)」の集団で、その人たちが「歴史観の問題での更迭は行き過ぎではないか」と本気で思っているのなら、この国際状況の下、どのような見識で国防政策に責任を負っているのか、問わざるを得ません。