from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

原油が一番安全だった

BPnet「米政府の金融救済策が原油高騰の一因に」から。

連邦政府ウォール街の金融機関を救おうとしている。これは周知の事実だ。しかし、その過程で原油をはじめ商品の投機的なトレーダーも救済することになり、エネルギー価格の急騰に油を注いでいることは、あまり気付かれていない。
米Lehman Brothers Holdingsと米American International Group(AIG)は商品市場で莫大なポジション(持ち高)を保有していた。それが急に清算されれば、小麦から石油まであらゆるものの価格が暴落していただろう。米国の商品市場を監督する連邦商品先物取引委員会は、2社が商品市場で保有するスワップという巨大なポジションを、ウォール街投資銀行や証券会社に委ねた。
その結果、米国時間22日、原油価格は1バレル16ドルも跳ね上がった。これは1日の上げ幅としては過去最大だ。
「もし投機筋がポジションの清算を強いられていたならば、それが完了するまでに、原油価格は1バレル65〜75ドルまで簡単に下落しただろう」。
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投資銀行は商品市場への投機で利益を得ているが、彼らはヘッジファンド機関投資家へのパイプ役にすぎない。投資銀行を利用するヘッジファンド機関投資家は、商品市場に保有する多額のポジションを長期的な投資ととらえている。
「市場のバランスが、金融機関を一方的に商品市場に向かわせた」と、米Oppenheimer & Coで石油関連のシニアアナリストを務めるFadel Gheit氏は言う。「あらゆる要素が重なっていた。米連邦準備制度理事会FRB)が金利を下げ、人々は価値を失ったドルから逃げ出した。ヘッジファンド、年金基金、投資信託がこぞって商品市場に資金を投入し始めた。それが最も安全だったからだ。なかでも原油が一番安全だった。そして、現物に対して投じられる金額が多くなりすぎた。要するにそういうことだ」