from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

優雅な終身特権

NBonline世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」:「退職後の特権があるからこそ、役人の汚職は少なくすんでいる」優雅な終身特権を享受する退職高級幹部』から。

(1) 中国の2008年の国家予算は5兆8486億元(約87兆7290億円)であり、そのうち、年々増大することでとかく問題となっている国防予算(=軍事費)は4099億4000万元(約6兆1491億円)<前年比17.7%増>となっている。退職高級幹部の終身特権に対する年間の支出額が1175億9900万元(約1兆7640億円)ということは、国家予算の2%を占め、国防予算の3分の1弱に相当する。これは巨額の支出と言わざるを得ない。

(2) 2008年の教育関連予算は1561億7600万元(約2兆3426億円)<前年比45.1%増>、環境保護関連予算は1027億5700万元(約1兆5414億円)<前年比31.4%増>であり、退職高級幹部への支出額と比べて、前者は45.1%の増大がなければ小さいままだったし、後者は31.4%増大したにもかかわらず依然としてより小さい。2008年5月12日に発生した四川大地震によって四川省だけで6898棟もの校舎が倒壊し、6500人以上の児童・生徒が死亡したが、その原因の多くは教育予算不足による“豆腐渣工程”(=手抜き工事)であった。こうした現実を考えると、退職高級幹部の終身特権に対する支出額に比べて教育関連予算の小ささには違和感を覚えざるを得ない。また、その重要性が強く叫ばれているにしては、環境保護関連予算も終身特権支出に比べて小さすぎるのではないだろうか。