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子育ての日々の断片を書き綴る

加害者

NBonline【山崎養世の「東奔西走」】 人民は弱し、されど官吏は強し 政府は薬害肝炎の立派な加害者だ

国が製造承認し、健康保険の適用を受け、全国で投与された血液製剤フィブリノゲンが薬害肝炎の原因です。C型肝炎ウイルスに汚染されたフィブリノゲンが29万人もの人に投与され、そのうち1万人の人がC型肝炎を起こしたと推定され、またC型肝炎からは肝臓ガンから死に至る危険が相当に高いと推定されています。多くの人命が奪われ、さらに多くの人の健康と人生が破壊されています。
フィブリノゲンを独占的に作ったのが、ミドリ十字でした。薬害エイズの原因となった血液製剤を作った会社です。
当初、日本ブラッドバンクという名前でスタートしたミドリ十字は、手術での輸血や止血などに使われる血液製剤の分野のトップ企業でした。血液製剤が薬品と同様に健康保険に指定され、ミドリ十字は大きく成長しました。
ミドリ十字は、戦時中に毒ガスや生物兵器を開発し、中国人や朝鮮人、さらに捕虜となった米国人兵士に対して人体実験を行って多くの人を殺したとされる関東軍防疫給水部731部隊のメンバーが中心になり、陸軍軍医の内藤良一をトップに戦後に作られた会社です。
731部隊関係者は、米国に人体実験の研究資料を提供するのと引き換えに、戦犯としての訴追を免れたと言われています。
薬害エイズと薬害肝炎の原因は同じです。原料の性格が同じだからです。
血液製剤の原料として、ミドリ十字が米国で買い付けた血液は、刑務所や売春者や麻薬中毒患者が売った血が多く混じった売血でした。売血から一定の処理をして血液製剤を作り、健康保険の適用を受けて全国で販売することでミドリ十字は大きな利益を上げていました。
しかし、原料の売血の中には、C型肝炎ウイルスエイズを起こすHIVエイズウイルス)が含まれていました。ミドリ十字フィブリノゲンの製造承認を当時の厚生省から受けたのは1964年でした。この年に日本で輸血を受けたライシャワー米国大使が肝炎になったことからも、当時から、売血から作った輸血用血液から肝炎になる危険は医学会では知られていました。
米国では、1974年にはB型肝炎ウイルスとは全く関係の認められない潜伏期の長い輸血後肝炎が存在することが報告され、A型肝炎とも関係なく、第3の病原候補として「型」と呼んだのがC型肝炎の始まりとされ、肝臓ガンから死に至る危険な病気であることが明らかになりました。
これから先の経過は錯綜しています。1977年には、FDA(米国食品医薬局)はB型肝炎感染の危険があるとして、フィブリノゲン製剤の製造承認を取り消しました。この情報については、ミドリ十字は社内で回覧していましたから組織として認識していました。
さらに、当時の国立予防衛生研究所の血液製剤部長が、自著の中でFDAによるフィブリノゲン製剤の製造承認の取り消しについて書いています。
しかし、ミドリ十字も当時の厚生省もフィブリノゲンの認可・販売を続けました。