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子育ての日々の断片を書き綴る

農村部のエネルギー消費量

nikkeiBPnet「エネルギー多消費の農村 低質のエネルギーに悩む中国

農村部におけるエネルギー消費量は、都市部とは際だった違いが認められる。すなわち、農村部では薪や農業廃棄物の構成比が2000年でも80%を占めている。ここで挙げた農業廃棄物とは、主としてトウモロコシの茎や葉だそうだ。1981年の世帯当たりのエネルギー消費量は60GJで、同じ年の都市部のエネルギー消費に比べて2.5倍に達している。これは、農村部では厨房用の煮炊きに農業廃棄物や薪が使用されるのに対し、都市部では都市ガスやLPGが用いられており、都市部と比較して、農村部のエネルギーの利用効率が極めて低いことによる。
1981年におけるエネルギー別の構成比は、農村部では、農業廃棄物が49%、薪は33%、石炭が18%で、電気はわずか0.2%にすぎない。2000年にかけて農村部のエネルギー消費量は減少したが、2003年には再び増加し、55GJとなった。2003年におけるエネルギー別の構成比は、農業廃棄物が47%、薪は33%、石炭が13%だった。一方で、電気は3.1%に増加しており、消費量では1981年の17倍に達している。
都市部と農村部のエネルギー消費量を比較すると、農村部のエネルギー消費量は都市部の3倍以上の水準になっていることがわかる。
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中国の農村部では、薪や農業廃棄物を伝統的な竈(かまど)で使用しており、燃焼効率が低く、不完全燃焼による大気汚染物質の発生につながっているという。また、室内空気汚染がもたらす呼吸器系疾患は、中国農村部における住民の死亡原因のトップになっている。さらに、薪の過剰採取による自然生態系の破壊も懸念されている。