from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

営利企業が高齢者を「食い物」にする?

マル激トーク・オン・ディマンド「コムスンを叩くだけでいいのか」から。

実は介護保険が儲からないことは、介護保険が国民から保険料を徴収する保険システムを採用したときに、明らかだった。事実上税金と同じような性格を持つ介護保険を40歳以上の全ての国民から徴収している以上、仮に企業努力によって利益が出たとしても、利益が出るのなら政府は保険料を下げるか給付を上げるかする必要が出てくるからだ。そのような、元々儲けることが難しい構造を持った介護産業に営利企業が入ってくれば、コストを下げるために無理な営業努力を行うなどのモラルハザードが発生しやすくなり、それが行き過ぎれば、不正の温床となるリスクがあることは、制度導入の当初から指摘されていた。
介護保険の施行時に華々しく介護産業に参入した営利企業の多くは、「介護を新たなビジネスチャンスと勘違いをしてしまったのではないか」と、服部氏は言う。
しかし、もしそうだとすると、赤字のコムスンに、これだけ多くの一流企業が引き受け先として名乗りを上げているのは、なぜなのだろうか。
服部氏はそこにもう一つのモラルハザードが存在すると指摘する。介護ビジネス自体は儲からなくても、複合的に事業を展開することで、介護は巨大なビジネスチャンスを生む可能性があると言うのだ。