from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

貧困から抜け出す手段

東京新聞「出稼ぎ労働者の子ども 一般校受け入れ」から。

中国の都市部で暮らす民工(農村かたの出稼ぎ労働者)の子弟は、義務教育の対象者だけで800万人に達する。従来、正式な学校に通えなかったが、最近は「教育権の平等」の下で、門戸が解放されつつある。ただ、急速な変化は、より強烈な競争意識をもたらしているように映る。
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民工学校は、親が働く都市部に戸籍がなく、一般の学校には通えないこどもたちのため、民工たちが費用を出し合ってつくった無認可の学校だ。上海だけでも四百カ所以上もある、とされる。
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民工学校は、剛君には思い出したくない過去だ。「先生は方言がきつくて、何を言っているのか、分からない。机もいすも使い古しで、汚いし、壊れてる。同級生はみんな、教養がなくて、ののしり合いばかり」
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上海では最近、親が市内に自宅を購入し、本人の成績が優秀−など一定条件を満たせば、民工の子弟も普通の学校に通えるようになった。ただ、対象はほんの一部だ。徐さんは、いわゆる“コネ”を使って、剛君を転校させた。
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“学歴”は、都市の戸籍を持たない農村出身の子どもたちが、貧困から抜け出す数少ない手段の一つだ。だから本人だけでなく、周囲も必死になる。