from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

子どもは自然

養老孟司のデジタル昆虫記 - nikkei BPnet「子どもと自然を考える

子どもは緑と同じ自然である。こういう定義は私が勝手にしたもので、だれか偉い人がそういったわけではない。
どうして自然なのか。人間が意識で設計したものではないからである。車とか、建物とか、学問とか、そういうものは、人間が「考えて作った」のだから、自然ではない。まさに人工である。ところが子どもには設計図がない。それなら自然というしかない。
その自然をだんだんに人工の世の中に慣らしていく。それが子育てである。その原則は手入れだと書いた覚えがある。手入れというのは稲を育てることと同じである。米をたくさん収穫しようと思って、やたらに肥料を入れたら、稲が枯れる。子どもも同じである。まさに塩梅を見ながら、毎日根気よく続けていくしかない。いまの人がそういう作業を苦手とするのは、よくわかっている。ほとんどの人はもはや稲を育てないからである。つまり自然物を直接相手にすることがまずない。それなら自然の取り扱いが下手になって当然である。