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子育ての日々の断片を書き綴る

狂牛病

生活経済政策研究 2006年6月号「狂牛病を見る眼−狭い視野でのリスク論争からの脱出を」。

狂牛病が登場してから30年が経つ。この間、その病原体、起源、伝染経路などにかかわる大量の“科学的”知見が現れた。しかし、確実なことは何ひとつ分かっていない。
病原体については、異常プリオン蛋白質という通説があるが、毒物、バクテリア、ウィルス、自己抗体などとする説もあり、これらのいずれにも十分な科学的根拠はない。
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伝染経路については、肉骨粉給与を禁止した後に狂牛病が大きく減ったという経験からして、肉骨粉に含まれる感染哺乳動物の蛋白質と言う説が最も有力である。少数の狂牛病は母子感染で伝達したした可能性も認められている。ただし、このような(現実に存在する)肉骨粉を食べさせて牛を感染させるのに成功した実験はない。イギリスでは、肉骨粉を完全に追放した1996年8月以降に生まれた149頭(今年1月29日現在)の牛に狂牛病が確認されているが、感染源は分かっていない。