from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

ワールドカップ・サッカー

ワールドカップから消えた「美しいサッカー」

日本が勝ち点1をあげたのみで終わったことは、この大会の大きな落胆の1つに数えられたりもしたが、そもそも“サムライ・ブルー”の弱点はオーストラリア戦のときから明らかだった。攻撃力がものをいう大会で、決定力に優れた攻撃なしでは何も期待できないのに、この数年はディフェンスラインばかりを強化していたのだから。
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無理を承知で挑んだ日本を4−1で退けた戦いでも、ブラジルにかつての輝きはなかった。パレイラ監督率いるチームが見せたのは、1994年のアメリカ大会での優勝したときのような、本来の美の理想にそったプレーではなかった。ショーでも祝祭でもなく、マジックと呼ぶにもふさわしくない――勝ち方を重視するサッカーから、成果指向のサッカーにとって代わられてしまった。チームのまとめ役から守備的な迎撃役に格下げされたゼ・ロベルトが「ブラジルは安全指向でプレーしたことはない」と主張したところで、セレソンはその美学を犠牲にして効率を重視していた。