from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

インフルエンザ恐怖症

昨日の東京新聞タミフル 日本人消費世界一のなぜ」から。

日本での大量消費はなぜか。浜氏は、まず「インフルエンザについて、恐怖をあおる情報が意図的に流され、多くの人の脳裏に植え付けられたからだ。二〇〇〇年までは、きつい解毒剤をよく使っていて、そのためにインフルエンザ脳症で死亡例が多発した。インフルエンザは怖い、という宣伝が行き渡ってしまった」と指摘する。
この“インフルエンザ恐怖症”を前提に、浜氏は「患者側は、タミフルが効かない場合や、異常行動などが起こる可能性も知らされていなかった。一方で良心的な医者が薬を処方しないようにすると、患者側が離れていく。副作用の説明や、薬が要らないことを患者にsつめいするに時間がかかえい、『出した方が早い』と考えてしまうような状況がある」といった事情を指摘する。
山野美容芸術短期大学の中原秀臣教授(ウイルス学)は「(タミフルは)一錠三百六十円もする高い薬だが、まるで栄養ドリンク剤を買うような感覚で患者側が手にしている現実がある。もうひとつは日本は医者も患者も薬好きで、効果があるとなると、すぐに飛びつくという習性があり、もともと薬に対するアレルギーがない」と指摘する。
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大量消費は別の懸念も呼ぶ。タミフルは発症後四十八時間以内に服用する治療薬として使用されるが、予防用にも使用される方向だ。予防内服は保険の対象ではないが、「今後、(予防内服の保険適用が)公式に認められていく可能性もある」(都内の病院関係者)。
毛利氏は「とんでもない話。予防用にタミフルを大量に投与すれば、免疫力が弱まって、薬が効かなくなる耐性タイプの新型ウイルスをつくり出すことになる。日本でも耐性ウイルスは数十%出ているという報告もあり、予防内服は本末転倒だ」と指摘する。

『情報紙「ストレイ・ドッグ」(山岡俊介取材メモ)』の「タミフルの国家備蓄も米ブッシュの意向!?」から。

既報の記事を見ると、タミフルの効果が期待できるのは“発症”48時間以内に飲んでと記されている。
しかし、なかには“感染”して48時間との記述もあった。
そこで、本紙・山岡はあるウイルスの専門家に尋ねてみた。すると、“感染”して48時間以内、それも早ければ早いに越したことはないという。米国で12年間先端のDNA研究等をやり、イリノイ工科大学助教授(化学科)を務めた。ウイルスと感染の解説書も出している。
考えてみれば、この薬はウイルスそのものを殺すのではなく、増殖を防ぐものだから当然。症状が出るほど、すでにウイルスが増殖してしまってからではもはや手遅れの可能性が高いわけで、素人でもわかる理屈だ。
だが、そうなると大いなる疑問が湧く。
権威あるわが国の研究機関「国立感染症研究所」のHPを閲覧すると、少なくともいまもっとも懸念されている致死率のひじょうに高いH5N1型の新型インフルエンザに関しては、これから出現が予想されるものだから未知数ながら、その潜伏期間は3ー4日とみているようだ(インフルエンザの潜伏期間:通常のヒトのインフルエンザの場合は1-3日間程度であり、鶏での高病原性鳥インフルエンザの感染は3-7日間と考えられる。ヴェトナムの例での鳥の接触から推定するとヒトでの高病原性鳥インフルエンザ感染の潜伏期間は3-4日程度という報告もある)。
発症しないと、基本的に患者はタミフルを求めない。
となれば、潜伏期間が3−4日ではほとんどの者は飲んでも手遅れではないか。
こういうと、その研究者は「そうだ」と答える。
では、備蓄しても無駄ではないか(2500万人分備蓄するとしており、その費用は数百億円になる)。
また、その研究者は「そうだ」と答える。
そして、「決まっているじゃないですか。薬を売るため。政官財の癒着ですよ」とこともなげに言い切った。