from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

ダイエーの中内さん2

nikkeibp.jp巨星落つ〜佐野眞一氏が語るダイエー創業者、中内氏」から。

中内氏は「暗黒大陸」と呼ばれたわが国の流通世界の扉を力ずくでこじ開け、戦後の日本に巨大な消費社会をもたらした。「いくらで売ろうと勝手」と呼号し、それまでメーカーに握られていた価格決定権を流通側に奪取した功績は、いくら褒めても褒めすぎることはない。
もし中内氏の“流通革命”がなければ、100円ショップもユニクロも、そしていまや小売業の主役となったコンビニも、わが国に定着することはなかった。
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中内氏は、フィリピンの地獄の戦場で一兵卒として痛烈な飢餓体験を国家から強いられた。彼が経験したのは、食えば食うほど腹が減る、真の意味での“飢餓”だった。中内氏は一度握ったものは絶対に離さない強欲な人物だったが、それもまた戦争が中内氏にもたらした宿阿だったとも言える。
昨年10月の中内ダイエー産業再生機構入りは、握って離さない中内氏の手を、国家が腕ごと切り落とした瞬間だった。中内氏は人生で2度の“敗戦”を体験した。中内氏の死で、「戦後」という時代は名実ともに幕を下ろした。