from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

カレン・ヒューズ国務次官

[ http://ryumurakami.jmm.co.jp/ :title=JMM]「カレン・ヒューズと対米感情」から。

国務省でのインタビューで「(ハリケーン被災地の)犯罪や強奪の話を聞き、同じアメリカ人として吐き気がした」、「肌の色や貧富の差によって救助に差があったと報告されているが、そういうことはアメリカではあってはならない。アメリカはそういう国ではない」、というように祖国に対する理想は人一倍高い。対米感情の悪化については、「アメリカは世界で唯一のスーパーパワー。だから、尊敬されることもあればやっかみもある」。トーンとしてブッシュ大統領と共通するのが「アメリカの民主主義の理想が万人にとってよいもの、誰だってアメリカのように自由を謳歌したい」という見解だ。「コミュニケーションがうまくいっていないから、アメリカの理想が誤解されるのだ、正しく理解してくれたらアメリカの言う自由がどんなにすばらしいかわかるのに」、と。
一方、この視点に警笛を鳴らす人たちは「ヒューズは、ラディカルな世界観をもつ人たちの理想と戦うことがどういうことかわかっていないようだ」と言う。ある識者は、「共産主義との戦いは、近代化という価値観を共有した状態での2つのシステムの競合だった。ジハードの理想は反近代化であり、我々とはその方向性さえ共有していない。我々が高いコストを払って認識し始めているのは、イスラム圏の近代化に対する強固な抵抗だ。エジプトの例を見るまでもなく、近代化は必ずしも人々によりよい生活を約束していないのだ」。「ヒューズの言う『自由』とアヤトラ・アル・シスターニの考える『自由』とは大きく違う」。つまり、その違いを理解しない限り、どんなに影響力や資金があろうとも無意味であり、アメリカの政策を宣伝することは、かえって対米感情の悪化を加速するということになると主張する。

世界には色々な考え方をする人たちがいるってことが理解できない人たちがいる。