from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

変革願望

五十嵐仁の転成仁語」から。

日本の場合、いま申し上げたような形で対抗イデオロギーはあったのですが、それが「変革願望」を受けとめて政権を変えるほど大きな力にはならず、「受け皿」としてはっきり認知されませんでした。89年参院選では社会党がこのような変革願望の「受け皿」として期待されたわけですが、その後は「無党派」に向かって青島・ノック現象を生みだし、95年参院選では新進党を躍進させ、98年参院選では共産党にもこの波がやってきます。01年参院選では「小泉ブーム」という形で自民党にまで「変革願望」の波が押し寄せました。そして今回、04年の参院選では民主党がこのような「変革願望」の「受け皿」になった。「受け皿」としての民主党は03年衆院選でデビューし、今回の参院選で認知されたということになります。
つまり、03年衆院選、04年参院選と、2度にわたって「変革願望」の「受け皿」となった民主党は今回の衆院選では見限られ、01年参院選に続いて、再び「『小泉ブーム』という形で自民党にまで『変革願望』の波が押し寄せ」たわけです。民主党が、「受け皿」としての期待を持続させることができなかったからです。
 その結果、比例代表区では、前回に比べて民主党だけが得票を減らしました。今回の選挙について、「自民党が勝ったのではなく民主党が負けたのだ」といわれるのは、そのためです。

淀んでいるように思える現状を何とか変えなきゃという「変革願望」が小泉チルドレンの大量発生をもたらした。そうかもね。