from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

ダイエーの中内さん

大西宏のマーケティング・エッセンス「中内さん逝く」から。

どんなに企業規模が大きくなってもダイエーからは貧乏くささが抜けなかったですね。ダイエーの方から、浜松町の軍艦ビルといわれるダイエー本部の最上階で世界のレジスターのコレクションを見せていただいたときに、ああ結局は金が好きなんだ、これが中内さんの本質であり、これでは市場から共感されないだろうと感じてしまいました。
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中内さんは独裁者でした。西武の堤さんはが理論をもたない王様だとすると、中内さんはスターリン毛沢東だったのかもしれません。

萬晩報「生涯、日本の価格と闘った中内功さん」から。

農水省を担当していた筆者らは、大震災の午後、農水省が発表した炊き出しに怒り心頭に達していた。地震発生から12時間ほど経っていた時点で「おにぎり500個」というなんとも現実離れした“支援策”を打ち出したのだった。「中内さんが首相だったら」。当時の記者クラブの誰もが思ったことだった。
その後、ダイエーは2兆6000億円という巨大な借入金が経営の重荷となり、中内さんはダイエーのすべてを失うことになる。成功者の人生の必ず功罪が問われるが、中内さんが日本の消費者に残したものはまだまだ大きく輝いている。

中内功さんは、「消費者物価が下がれば、国民の生活レベルは上がるのだ」と言ったという。松下幸之助さんは、「生産につぐ生産で貧を無くす営みこそ、われわれの尊き使命」と言ったという。消費者物価が下がっても生活レベルは上がらず、モノが溢れていても貧はなくならない。彼らの努力は、結局彼ら本人に一時の幸せをもたらしただけ。