from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

父親の家庭責任

村瀬幸浩さん。

家庭の機能には子どもを世話する、扶養する、そして社会化することがあります。この三つの機能を果たせば子育ては終わります。しかし、日本の親には三つ目の「社会化」という意識がとても希薄のように思います。
社会に向かって家庭の窓を開け、「公的な空間において私的心情、振るまいをどう制御するか」をいち早く自己判断し、自分の行動をコントロールすることを「社会化」の一つの主要な断面としてとらえてみると、それを指摘し意識化させるのは、特に男の子に対しては父親がふさわしいと思います。「それでは世間では通用しないぞ」「お前、このことをどう思うか」などと時には自分の経験も含めて諄々と語ってやればいいのに、無視したり、怒鳴ったり、馬鹿にしたりせずに、日本の父親は自分の息子を愛し、まともに立ち向かおうとせずにすべて母親に任せてしまっているように思われます。
子どもは、自分の話をきいてもらうことで「親父は自分のことを気にしてくれている、愛してくれている」という実感をを身につけていくし、それがまた男の子の自信になっていくのです。