from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

責任感のある政治家

「ロンドン投資銀行日記」の「衆議院解散の意味」から。

日本の銀行業界は最大銀行である郵政公社が国の優遇を受けており(具体的には法人税、固定資産税、事業税等が免除されていると共に、預金保険機構への保険料を払ってなくても預金は国によって完全保証されている)、民間銀行は不利な条件の中競争しているわけである。
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バブル崩壊後の銀行の不良債権の増加の原因は、単純に言うと民間企業の返済能力の低下である。
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確かに銀行が放漫経営に陥っていたのは確かで批判されるべき点が多かったためにマスコミ・政治家による銀行批判が行われた。
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公的資金の注入で結果として何が行われたかというと、銀行を通じた企業部門に対する補助金だ。実質的には国民に金をばら撒いたのと同じだが、そんなことは現代社会では実現できないので、資金の配分経路を変えたということだ。

これだとまるで、郵政公社があるせいで、民間銀行の経営がうまくいかないと言わんばかり。公的資金の注入で救われたのは、民間銀行と、政府が残しておいた方がよいと考えた大企業だけだというのに、「国民に金をばら撒いたのと同じだ」と。

責任感のある政治家は当然に国民の負担を強いる事柄についてもきちんと実行しようとしているが、無責任な政治家は意図的に無視しているのか、それともそもそも全く無知なのか大反対一筋である。
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今の日本で政治家として当選したいなら、無責任な発言をしていれば当選するだろう。国民に負担を強いる話は一切無視して、耳に心地よい主張だけしていればいい。減税支持、消費税増税反対、郵政民営化反対などなど。そんなことばかり言っている政治家は本当に聞いていてあきれてくる。日本のことを本当に考えていて責任ある発言をする政治家が割を食う世の中になってしまっている。
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小泉首相には是非勝って欲しい、というのが率直な気持ちである。郵政族農水族と正面から戦って生き残った政治家はこれまでいないし、小泉首相の断固たるリーダーシップは確かに頼もしい。強引な面は否めないが、しかし責任ある政策を実行しようとしているその志は近年稀だ。

国債30兆円枠を守る」ことを公約として掲げたのに「この程度の公約を守れなかったことは大したことではない」と答弁し、「在任中は増税しない」と言い、年金改革もできていない小泉首相にはどうしてあきれないのだろう。

ブログ「5号館のつぶやき」から。

いわゆる郵政改革も本気になって最初からやり直しすべきでしょう。小泉案の郵政民営化に賛成か反対かなどという矮小なことではなく、郵政の無駄遣いと預金の詐欺的使用方法をやめさせるということが大切な課題だと思います。そして、その場合のキーワードは「民営化」ではなく、郵政公社の体制の抜本的見直しから始めるべきだと思います。

その通りだと思う。