from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

外交問題を論じる

ブログで外交問題を論じる人たちが増えてきているようだ。外交問題を論理的に分析し、こっちが正しいとか、こちらはおかしいとか言っている。外交問題を論じるのは気楽だ。自分に直接影響を与えるものではないからだ。
外交って、ある目的があって、それに基づいて政府首脳が外国と交渉したり、外国に対してある行動をとったりすることだと思うが、それに対してあれこれいうのは非常に難しい。論じる元になるソースのほとんどがマスメディアの報道によるものだし、外交目的が明らかにされることはないからだ。マスメディアの報道はその交渉の場にいて書かれたものではなく、外交目的に沿って政府首脳が発表したものに基づいて書かれたもので、実際の交渉内容は明かされない。
たとえば、ある外国の政府首脳が日本からとってみれば怒りたくなるような言ってきて、それに対して日本の政府首脳が応酬したとする。そのときの外国の外交目的が日本の政府首脳を怒らせることだったとしたら、目的が達成できた訳だ。そうじゃなかった場合は、失敗。それだけのこと。それを分析してみて、その外交目的はこれだったんじゃないのかと推測してみることはできる。しかし、言ってきたことが正しいとかおかしいとか論理立てて言ってみて何になるのだろうか。著名な人が論じると世論を作り、政府首脳の行動に影響を与えることができるかもしれない。でもそれは、大抵の場合、政府首脳にとって迷惑なことだろう。
外交問題を論じるって、オンラインゲームをやるのと同じことなのかな。分析結果を載せる。それに対してコメントが付く。異論のコメントが付いたときは、また新たに分析してみせ、正論であったことを証明する。注目を浴び(カウンタがクルクル回って)、支持してくれるコメントが多くなれば、勝利。案外、そんなことかもしれない。