from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

SAVA95さんのブログ「覚え書き」を見ていたら、東京新聞の「『対中姿勢変わるまで待つ』『小泉政権見限った』」という記事が紹介されていた。

横浜市立大の矢吹晋名誉教授は「靖国参拝に関する日中間の認識は、八六年に中曽根康弘首相(当時)が中国政府に出した『中曽根書簡』で一応の決着をみていたはずだ」と話す。書簡は八五年に戦後の首相として初めて公式参拝したことについて、「貴国をはじめとするアジア近隣諸国の国民感情を傷つけることを避けなければならない」とし、八六年の公式参拝を行わないと言明した。
「それ以降、歴代首相は橋本龍太郎元首相以外、ずっと参拝しなかった。十数年続いたこの姿勢は、いわば国際的な約束だ。これを破っている以上、一方的に中国が非礼とは言えず、日本側の主張に説得力がないと感じる国も多いだろう」
愛知大学加々美光行現代中国学部長は「町村信孝外相日米安保には台湾海峡も含まれると発言するなど、小泉政権の中枢には外交的センスがまったくない。首相も含めたこうした人々の発言が積み重なり、ドタキャンにつながった。それほど複雑な問題ではなく当然の帰結」と指摘する。
加々美氏によれば、中国政府は呉副首相訪日前、日本側の靖国問題への対応として「小泉首相靖国に行かないとは言明しないが、結果的には行かない」という妥協はあるとの感触を日本側から得ていたとみる。
ところが、小泉首相の国会答弁や、武部幹事長の「内政干渉論」で前提が崩れ、小泉・呉会談は、経済関係の話に終始するか、全部靖国問題になるかどちらかとなった。「前者は首脳会談としては不自然だし、後者の場合、小泉首相が直接内政干渉などといえば日中関係は回復不能のダメージを負う。中国側はだからこそ会談をやめたのだろう」

今のマスメディアではこういう冷静な分析が主流ではない。「呉儀副首相ドタキャン」に関連するブログ記事を集めた「ブログで情報収集!」によると、ブロガー達の間でも中国側の事情を理解しようとする人はごく僅か。