from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

昨夜、妻の知人が日本からやってきた。どこかに出かけるには上海は暑すぎると思い、その知人を連れて、杭州に1泊旅行に行くことにした。気温の上では、杭州が上海より涼しいという訳ではなかったが。

幸いなことに昨日に引き続き、気温が上がらず、ほっとして杭州に9時過ぎに出発した。列車を前もって予約していて、ここから割と近いらしい「梅ロン駅」にタクシーで向かう。列車の発車時刻は10時過ぎ。駅は空いていれば、20分ぐらいで着きそうな所にあるが、あちらこちらで道路工事をやっていて、思っていた道が通れないようでタクシーの運転手さんが何回も首をかしげていた。駅の近くまで来て、何回もUターンしてようやく駅付近に到着。

荷物を運ぶおじさんがやって来て、妻が持っていた荷物を奪われた。改札口まで行くには、線路をまたいでいるかなり高い高架路を上り下りしないと分かり、そのまま荷物を持っていってもらうことにした。割と涼しいのに、子供を抱っこして階段を上り下りして、汗が噴き出した。

出発時刻の20分ぐらい前に改札口に着いた。荷物運搬料は値切って、3元だった。待合室のような場所はなく、改札口を入ったところの通路で列車を待つ。待っている間にその通路は、人で埋まった。

出発時刻の10分ぐらい前に、列車に乗れた。始発駅ではなかったので、すでに乗客がいた。我々の席は、2階建て車両の1階。4人分の席を予約してあったが席は向かい合わせではなかった。妻が周りの人に交渉して、向かい合わせで座らせてもらう。子供は乗り物が大好きなので興奮していた。

列車は合図もなくいつの間にか走り出した。郊外に向かうにつれ、緑が広がる。しだいに畑と田んぼの景色になった。エビなどを養殖をしている池も見えた。途中、いくつかの駅に停車するが、ほとんど人は乗り込んでこない。

列車に乗って、「あかいでんしゃだね」とか、「てっきょうだね」とか、見えるモノを言葉に出していた子供はいつの間には寝ていた。

2時間15分ぐらいで杭州駅に着いた。改札口を出て、地下にあるタクシー乗り場に向かう。割と新しいタクシーが沢山待っていて、すぐに乗れた。上海のタクシーはほとんどがVWのサンタナという車だが、杭州サンタナではなかった。同じVWのパサートだった。妻に聞いてもらうと、最近みんなパサートに変えたとのことのことだった。杭州では個人タクシーが多くて、自分で車を買って、タクシー業をやっているようだ。サンタナなど10万元以下で買えるが、パサートは20万元ぐらいするらしい。杭州は観光都市なので、タクシーも上海より儲かるようだ。

お腹が空いていたので、レストランに行ってもらうことにした。2年前に来て、トンポウローが美味しかった楼外楼というレストランに行った。トンポウローのほかに、エビ料理、蓮の実、菱が入った料理を食べる。

食事後、タクシーで宿泊するホテル「新橋飯店」に向かった。チェックインして、4階の部屋に入り、窓の外を見ると、西湖は見えず、殺風景な瓦礫が見えた。隣の建物が壊されたばかりのようだった。

しばらく部屋で休憩したのち、妻の行ってみようという「雷峰塔」にタクシーで向かった。かなり高い塔で、子供を抱っこして登るのは大変だと思ったが、入場してみると、エスカレーターとエレベータがあって、楽に登れることが分かり、ホッとした。あとで分かったが、2年近く前に出来たばかりの施設のようだ。塔の最上階に行くと、西湖が一望できた。湖に浮かぶ小舟、湖を取り囲む山々が見え、日本的な風景に心が和んだ。

「雷峰塔」の見学のあと、塔はつまらなくてぐずる子供が目を付けた西湖を一周する電動バスに乗った。半周で一人20元。この電動バスが走る道路が石畳に造られていて、木々の緑の中を走る。風が心地よい。景色も最高。

電動バスを船着き場で降り、手こぎ船に乗る。交渉したが、乗船料は160元。日没前で夕日が映える湖面を小舟が静かに進んでいった。西湖に浮かぶ島で最も有名らしい「三潭印月」近くを通り、ちょうど日が暮れときに「花港観魚」公園近くの船着き場に到着。下船し、タクシーでホテル「望湖賓館」に向かった。

ホテルの最上階にあるレストランで夕食をとる。頼んだ料理は満足できる味で、お腹が一杯になったあと、歩いて湖岸を散歩した。かなり暗いが危険な感じはしなかった。湖面を渡る風に吹かれながらしばらく夕涼みをし、タクシーで新橋飯店に戻った。

今日は、中国に来てから一番満足のいく一日を送った気がした。